11日から27日まで燕市産業史料館で開かれる長岡造形大学の学生とのコラボレーション企画展「燕×長岡造形大学×ものづくり展〜未来に繋ぐものがたり〜」を前に6日、学生が同史料館を訪れて展示作業を行った。
同史料館は昨年暮れにも長岡造形大教授の作品展を開くなど、長岡造形大との連携を深めるなかで、今回のコラボレーション企画を提案。長岡造形大では、地域から寄せられるさまざまなテーマに学生と取り組む「地域共創演習」という授業で取り組んだ。
美術館や博物館とのコラボレーションはこれが初めて。昨年9月、美術・工芸学科の2、3年生12人で白紙の状態から企画をスタートし、ポスターのデザインや広報活動も学生が考え、それに史料館学芸員がアドバイスする形で進めている。
リーダーは総合隊長の3年志田光太郎さん(21)=三条市=、企画班長の3年鶴水亜里沙さん(21)=長岡市=。鶴水さんは「史料館と大学、そして複合素材という2つのコラボと、ものづくりを考えました」と企画意図を話す。展示作品は学生が制作した64点。金属とガラス、金属と粘土、絵画と織物などを組み合わせた作品がある。
ここまでの作業を振り返って鶴水さんは、「2年生と3年生がいるので、時間割がばらばらで集まって作業を進めていくのが大変でした」と苦労を話す。企画、展示、広報の3つの班に分かれて作業を進めた。志田さんは「(自身は)各班がまとめたことを先生に伝える役だったのに、班が直接、先生に伝えることがあって…」とグループワークのコミュニケーションの難しさも味わった。
コンセプトについては、みんなの考えは最初からほぼ一致していたものの、ひとつの方向性をまとめていく作業にも時間がかかった。6日の展示作業は学生10人が参加し、午前中いっぱいかけて机上で計画した通りに並べてみたが、「実際に展示してみると空間が空きすぎてイメージ通りにいかない」(鶴水さん)。午後からはあらためて作品の配置を見直した。
志田さんは「割といろんな種類の作品があるので、広い視野で見てもらえたらうれしい」。鶴水さんは、伝統的な金属加工を地場産業とする燕市で継承される技術を使った作品、鍛金の水差し、彫金のブローチ、鋳金の銅鏡を展示するので、「おこがましいですが、ぜひ見てほしい」と期待と少しの不安も。
長岡造形大で企画展を担当した美術・工芸学科の長谷川克義准教授は「学生が自分たちで作品展を企画することはなく、卒業研究制作で初めて展示するのがふつう。それを先に体験できるというのは勉強になります」と学生の成長のきっかけになることを願っていた。
また、13日、20日、27日のいずれも午後2時から開かれる学生による作品解説会も楽しみだ。