小池清彦加茂市長は7日、検討が行われている県央地域の救命救急センターに併設する基幹病院について、県立加茂病院=加茂市=と燕労災病院=燕市=を再編・統合して加茂市が無償提供するとしている場所に建設することを、泉田知事などに提案した。県は、2012年度内に燕労災病院と三条総合病院=三条市=の再編、統合による基幹病院設置案をとりまとめている。
小池市長は県庁を訪れて提案書や資料を提出した。提案書では、「県立加茂病院と燕労災病院を再編・統合して救命救急センター併設の基幹病院とし、この病院を加茂市が提案している場所に建設することとされますようご提案いたします」とし、その理由など12項目を記している。
昨年2月15日に開催された第10回「救命救急センターを併設する基幹病院等のあり方検討会議」の第10回知事・市長村長・医療関係者等合同会議で今後、病院の設置やそのための既存病院の役割分担の再構築に向けて具体的な調整を行うこと、県が新しい経営主体などとの病院再編に向けた調整役となること、病院再編の複数の案を次回の合同会議で報告することなど、今後の進め方について4つの合意事項としている。
小池市長は、今回の提案については、具体的な回答を求めるものではなく、次回の合同会議に反映されることと期待している。
小池市長は、今回の提案のタイミングについて、平成22年に実施された内閣府行政刷新会議の事業仕分けの評価結果で、労災病院の設置・運営で、「当該法人が実施し、事業規模を縮減。病院のガバナンスについては抜本的見直し。他の公的病院との再編等についても広く検討」となっていたことを知ったことからとしている。また、提案書では小池市長の提案が、同評価結果に「完璧に適合する最良の案」と示している。
また、国定勇人三条市長は8日行った記者会見で小池市長の提案書提出についての質問に答え、昨年2月の合同会議で県に一任することにしたので、県の再編案を「固唾を飲んで見守っていく立場」で、「おとなの対応でぐっとこらえるのが筋」と疑問を示した。
合同会議でまとめた合意文書には、小池市長の強い主張で加茂病院の廃止、縮小しないという一文を入れており、それは「加茂病院はいじってくれるな」ということで、今回、小池市長が燕労災病院と加茂病院の統合を提案したのは、「相当ていど意外な印象として合同会議のメンバーは受け止めているのでは」との見方を示している。