三条市月岡1、明間印刷所(明間隆三社長)は11日、同社の技術で製造する世界初の折り畳み式立体教材「起き上がる立体」を、ものづくりのまち三条の子どもたちに使ってほしいと、市内9つの中学校分約38万円相当を三条市教育委員会に寄付した。
この日の午後1時45分から栄庁舎で開かれた校長会議の冒頭で、同社営業部の今井寛さんが教材を持参し、中学校校長会代表の駒沢隆司第三中学校長に手渡した。
今井さんが教材の説明を行い、手に持った平面の紙が一瞬で立体に変わるところを見た各小中学校の校長や教育委員会関係者から「お〜!」と歓声が起こり、「子どもたちの興味を引く」というパンフレット通りの反応。「これは小学生も興味を引くな〜」と、教育委員会へか同社へか小学校校長からも導入を希望するつぶやきもあり、笑いを誘っていた。
「起き上がる立体」は、紙製で2次元の平面があっという間に3次元の立体に形を変える手品のような教材。子どもたちの興味を引き、中学校では体積を求める授業などで活用されるようだ。
立体の種類は正四面体、正20面体、六角柱、三角錐など基本の12種類。マグネットにより黒板などに張り付けることもできる。大サイズ27,300円、小サイズ15,120円の2サイズあり、今回は大小2セット42,420円を9中学校分、計18セット381,780円相当を寄付した。
同社は数年前、グリーティングカードなどでも見られる1枚の紙を建築物など立体的な造形物を浮き立たせる折紙建築の技法「切り起こし」という技法で新潟県生まれの一級建築士木原隆明さんの著書を、木原さんの立体の設計図を基に製造した。その技法を基に全国算数・数学教育研究大会で発表したところ、多くの教師から教材にできないかと相談されたことから商品化が始まった。
三条市の「売れるものづくり支援事業」の補助金を受け、筑波大学付属中・高等学校の大根田裕教官監修のもと試行錯誤をくり返し、昨年春に完成した。
同社では、「売れるものづくり支援事業」で受けた支援を市に還元したいということと、「ものづくりの町三条」の子どもたちに三条の技術で作った教材を使ってもらい、三条から全国に発信したいとの思いで今回の寄付となった。「起き上がる立体」の説明は、同社のホームページで動画も交えて説明している。