燕市国上、道の駅国上のふれあいパーク久賀美は、13日午後3時前から同施設裏手の酒呑童子神社前駐車場で恒例の小正月行事、久賀美塞(さい)の神を行い、約500人が参加して年の初めにそれぞれの願いを燃え盛る塞の神の火に託した。
地元の長辰地区で、一度は途絶えてしまった塞の神を復活させたのは今から約30年前も前になる。7年前から同施設に会場を移して長辰地区と合同で行っている歴史ある塞の神だ。
会場にはテントを張ってこんにゃくや汁粉を販売し、塞の神の火にあぶって焼くするめは用意した150杯を完売する人気だった。
小雨が降っていたが、昨年の地吹雪も舞う大荒れの天気と比べれば、はるかにまし。塞の神は電気工事用の高所作業車を使ってタケを組み、外側をワラで覆ったもので、高さ5メールほどある。
鈴木力市長は、ことしのえとのヘビが脱皮して成長するように「皆さんもひとつ大きく成長するよう五穀豊穣、無病息災を皆さんとともに祈りたい」とあいさつ。地元事業所が奉納した約30本の灯明をともし、地元僧りょが祈祷したあと、鈴木市長らが火を着けたワラをくべて点火した。
例年、あっと言う間に全体に火が回って燃え尽きてしまうが、ことしはなかなか全体に火が広がらず、燃え尽きるのにも時間がかかったので、ゆっくりとするめを焼くことができた。同施設が夏に行ったかかしコンクールに出品されたかかしを一緒に燃やしたのが功を奏したようだ。
タケが破裂して大きな音が響くと「おーっ!」とどよめき、「ことしは、いい火だね」と話す人も。市外から訪れた人も「楽しい!」と子どもに返ってはしゃぎ、小正月の風物詩を楽しんでいた。