燕市粟生津地区のコミュニティー組織「親栄会」(荒木昌正美会長)では、13日午前11時から地元で小正月行事の塞の神(さいのかみ)を行い、燃え上がる火の手に無病息災や学業成就、五穀豊穣を願った。
かつて地域で行われたていた塞の神を1995年ころから親栄会が引き継いで行っている。ことしは特養ホーム「吉田愛宕の里」隣りの空き地を借り、2階建ての家の屋根くらいの高さの塞の神を立てた。
塞の神の材料は粟生津小学区の学校田で刈り取ったワラ、渡部地内の大河津分水の河川敷のカヤ、さらに家や寺の敷地のタケなど地元で調達した。
塞の神を燃やすだけでは物足りないので、その場できねとうすでついたもちをきな粉もちにしてふるまい、豚汁を100円で販売。よさこいグループ「風雅」の地元小中学生が衣装を着けて昨年、燕市がつくったよさこい「舞燕」を披露した。
来賓の鈴木力燕市長は「新生燕市が再出発しますので、大きく成長した市役所で皆さんと一緒に頑張っていきたい」とあいさつしたあと、荒木会長らとともに塞の神に点火。あわせて景気づけに「風雅」の子どもたちが、たる太鼓をたたいた。
雨の降るあいにくの天気だったが、冷え込みは弱くて風もなく、約400人が参加した。毎年のことなので地元の人たちは言われるまでもなくしめ縄などの正月用品を持参。子どもたちの書き初めも塞の神と一緒に燃やした。
昨年は地元で不審火が相次ぎ、塞の神を前日に設置してから夜も警戒した。塞の神に点火すると塞の神はあっという間に火に包まれてもくもくと煙を上げ、タケが破裂する大きな音が響いた。火が収まるとタケの先につるしたするめを焼き、昔ながらの行事を味わっていた。