13日に新発田市で開かれた第9回城下町しばた全国雑煮合戦に初参戦した燕市分水地区の町内会青年部「諏訪町兄貴会」(山田隆会長・会員16人)は、27日午前11時から道の駅国上のふれあいパーク久賀美で考案した「海の恵みアサリとあごの出汁(だし)雑煮」を1杯500円で振る舞う。
諏訪町兄貴会の雑煮のポイントは、アサリとあご(トビウオ)を使っただし。ベースは塩味で、どちらか一方で十分なだしを取れるのに両方のだしを重ね、深いこくとうま味をつくり出した。
アサリと海草のアオサでつみれを作り、口に入れるとアオサの香りが広がる。それにモチやエビギョウザ、ダイコン、ニンジン、シイタケ、サトイモ、ギンナンで具だくさんに。地元の名物行事「分水おいらん道中」が行われるサクラ咲く大河津分水で行われるのにちなんでサクラをかたどった飾り麩(ふ)も入れた。さらに客に手渡す前に、かんずり、ユズコショウ、梅肉のいずれかを選んでもらってトッピングする。
合戦には全国から49組が出場。残念ながら上位にはならなかったが、せっかくおいしい雑煮を開発できたので、地元の人から味わってもらおうと、ふれあいパーク久賀美で振る舞うことにした。分水商工会も主催者に加わり、午後3時まで限定250食を販売するが、売り切れしだい終わる。
あわせて地場物産展を開き、諏訪地区商工会有志が天神講菓子、おいらん・酒呑童子ブランドの酒、陶器、写真付き掛け軸、良寛も使ったといわれるアカザが素材のつえ、鉢植えなどを販売する。
諏訪町兄貴会は、下諏訪、中諏訪、上諏訪、向陽、文京町の5つの町内の40歳以下でつくる町内会青年部。鎮守の春祭りで模擬店を開いたり、分水まつりの神輿渡御に参加したり、ごみ拾いをしたりと活動している。
会長の家具店「有限会社卯八」=下諏訪=を営む山田隆さん(36)は、活動の参考にしようと、会員と一緒に昨年の雑煮合戦を下調べに行った。「人の数や活気にただただ圧倒されました」と山田さん。昨年で8回も続いていることにも感心した。
ただ、出場が本決まりになったのは昨年秋で、締め切りの2週間ほど前に慌てて雑煮の名前や内容、紹介文を決めて申し込んだ。商店街の下諏訪に隣り合う割烹・仕出しの「渡金分店」と「与七鮮魚店」の監修で完成させた。当日は過去最多の約2万人が来場。諏訪町兄貴会はオリジナルTシャツも作って臨み、250食を2時間で完売した。
「兄貴会の活動理念が、昔から楽しくチャレンジしましょうというのがあって」と山田さん。「地元の割烹の新メニューになったらいいですね」、「そんなに偉そうなことじゃなくて、会の活動の活性化にもつながれば」と期待している。