愛刀家の会社役員外山登さん(74)=本町6=昨年暮れに開かれた日本美術刀剣保存協会東京都支部の第四回研究鑑賞定例会で講師を務めたようすが同支部ホームページに掲載された。
外山さんは三条出身の刀工、栗原信秀(1815-80)と会津藩の刀工、十一代兼定(1837-1903)を中心に名刀を収集、研究している。
兼定は会津における最も古い刀工の家柄でに生まれ、父について鍛法を学び、刀工として活躍。新撰組の土方歳三の愛刀を打ったことでも知られ、今も人気を集める。明治2年(1869)から7年(1874)まで今の加茂市の志田家に滞在し、その5年間に地元の青梅神杜の奉納刀と御神鏡、新発田諏訪神杜の奉納刀、さらに越後一宮弥彦神杜への奉納刀を製作するなど、5年間に数多くの作品を作り、越後との縁も深い。
日本美術刀剣保存協会東京都支部の第四回研究鑑賞定例会は、昨年12月8日に東京都・靖国神社で開かれた。外山さんは「会津十一代和泉守兼定」の16振と当時の拵(こしらえ[刀剣の外装])4点を持参。兼定の刀の魅力はもちろん、兼定がなぜ加茂に来て、たくさんの刀を打ったのかなど、知られていない兼定に関する情報を中心に話した。このようすが同支部のホームページに掲載されたほか、同支部の月刊誌2月号にも掲載される。
外山さんは一昨年の日本美術刀剣保存協会長岡支部の例会で兼定の解説を行っており、昨年は信秀の解説を行っている。そうした実績から東京支部の例会に招かれたようだ。
「東京支部は業者や有名な刀剣商や研ぎ師が在籍するので、話し始めるまでは非常に緊張しましたが、喜んでいただき良かったです」と外山さんは話している。