「元祖カレーラーメン」を名乗る北海道苫小牧市のラーメン店「味の大王」の代表取締役、高橋浩一さん(45)が28日、「カレーラーメン発祥の地」をアピールする三条市のカレーラーメンの視察に訪れた。「苫小牧から三条へなぐりこみ」の勢いだったが、三条のカレーラーメンマップやカレーラーメン体操の製作といったあの手この手の取り組みに「ここまでやらんとだめっすよね。苫小牧は遠いなー」と舌を巻いていた。
B級グルメ通で知られる新潟大学法学部の田村秀副学部長が昨年11月、生まれ故郷の苫小牧市で講演したのがきっかけ。「一度、三条のカレーラーメンを食べてみたかった」と言う高橋さんの願いを田村副学部長が間に入って実現させた。
高橋さんは、昨年まで苫小牧青年会議所会員で町おこしに取り組んでいた会社社長星野岳夫さん(40)と2人で飛行機で訪れ、田村副学部長と合流。28、29日の1泊2日で県内のラーメン店を食べ歩くスケジュールで、28日は三条市内で大黒亭松屋小路店、食事処鳳、大観楼の3店でカレーラーメンを味わった。
高橋さんが経営する「味の大王」は1965年創業で、北海道におけるカレーラーメンの発祥の地。ラーメンは、みそ、しょうゆ、塩をラインナップするが、「元祖カレーラーメン」の注文が驚きの8割を占める。
北海道のカレーラーメンは、室蘭市が市の名物としてプロモーションに取り組み、昨年開かれた燕三条カレー産業博でも室蘭カレーラーメンが出店しているが、苫小牧市内のラーメン店もほとんどがカレーラーメンをメニューにしている。
高橋さんは、三条で味わった3店のカレーラーメンを北海道のカレーラーメンと比べて、「ずっと食べやすく、具材がたくさん入っています。あっさりしている」と分析した。「カレーラーメンの歌」と「カレーラーメン体操」を創作した燕三条ラーメン王国の“国王”こと会社社長梨本次郎さん(39)=三条市東本成寺=は、「カレーラーメン体操」プロモーションDVDを上映し、高橋さんにプレゼントした。
苫小牧を食で盛り上げようと有志が集まる「とまこまい味な倶楽部」が一昨年、昨年と「とまこまいうまいっしょグランプリ」を開いた。「苫小牧には、スケートまつりと港まつりくらしかない」と高橋さん。ラーメン店の組合もなく、ラーメン店の横のつながりをつくるのが先決問題で、「一体感をつくるのがまず難しい」と頭をひねっていた。
田村副学部長は、三条のカレーラーメンの方が歴史が古く、種類もバリエーションも豊富で、「わたしにとったら悔しいけど三条がナンバーワンなんでね。それに追い付き追い越せって苫小牧も頑張ってほしい。わたしのふるさとですから」と、地元にエール。三条はカレーラーメンを使った町おこしにも取り組んでおり、三条と苫小牧がつながって情報発信するなど、「三条に便乗して苫小牧が良くなれば」と話していた。