燕市は、大学の専門知識や技術を市内の産業振興や教育、人材育成などに活用しようと30日、長岡技術科学大学と包括的連携協定を締結した。燕市は新潟大学と分野を限定した協定や事業契約を結んでいるが、大学との包括的な連携協定はこれが初めて。長岡技科大が市町村と包括的連携協定を結ぶのは長岡市、小千谷市に続いて3件目。
燕市役所で鈴木力市長と長岡技科大の新原皓一学長が協定書に調印し、握手した。鈴木市長は、燕の企業は長岡技科大の世話になっており、そうした取り組みのいくつかに自身もかかわった経緯があると言い、産業面だけではなく、「子どもたちの教育、留学生が間に入った教育、さらにまちづくり、いろんな分野で総合的に燕市の取り組みをサポートしていただける環境が整ったのは非常にうれしい」と喜び、具体的な取り組みがそう遠くないうちに生まれてくることに期待した。
新原学長は、約2,600人の学生のうち県内からの学生が20%でほとんどは長岡高専の卒業生、あとの80%は県外の61の高専から入学していると話した。「新潟県にありながら全国をある面では束ねているという面で全国の高専とつながっていますし、もちろん、全国の高専の回りにある中小企業や知的財産も統括できる形になっている」ことで、「産業振興と全国をつなぐこともわれわれはできるんじゃないかと思ってる」。
留学生が全国の大学の平均の3倍あり、70くらいの国をカバーしている。県内企業のグローバル化を支援するための国際会議も昨年から開始し、「大学が国際化するのは、大学の周りの企業も同時にグローバル化して初めて大学のグローバル化が成功したというべきじゃないかと思っている」と持論を示し、具体的には、留学生が正式に教えるのではなく、「先生方が教えるのを支援させていただくような体制は十分、とっていけるのでは」とし、新潟県に長岡技科大があるということを認識してもらうためにも、こうした連携が「どんどん増えていえばいいなと期待している」。
来年度から英語教育に力を入れる考えを示している鈴木市長は、「夏休みなど使って子どもたちと留学生の交流をお願いしたいおぼろげなイメージがある」とした。来年度内の取り組みについて新原学長は「とにかく一点突破でもいいですから」、鈴木市長は「スピードを重視したいと思っています」と話した。