4日開かれた「救急救命センター及び併設病院のあり方会議」の「第11回知事・市長村長・医療関係者合同会議」で、県央地域の長年の悲願だった救命救急センター設置が具体的な進展をみせたが、一方で加茂市の小池清彦市長は異論を示して退席して深い溝を残した。
「基幹病院整備に向けた病院再編案」について、A案「燕労災病院・厚生連三条総合病院の統合再編案」とB案「燕労災病院・県立加茂病院の統合再編案」の2つの案を示して協議した。
同会議を構成する三条、燕、加茂、田上、弥彦の県央5市町村の首長、県央地域の医師会長や病院長など医療関係者それぞれの意見を述べてもらう形で多数決で結論を決定した。出席者14人の意見は、「燕労災病院・厚生連三条総合病院の統合再編案」のA案が10人で最も多く、「燕労災病院・県立加茂病院の統合再編案」のB案が1人、そして交通の便がいいなら早く進めるべきとする意見が2人、2つの案を引き続き検討が1人だった。
小池市長は会議終了直前に4階の会場を退席したと思われ、午後3時5分過ぎに1階に降りた。小池市長は「多数決でA案に決めるとおっしゃったから」、「きょう初めて県がA案、B案を出してこられた。それをすぐ、B案を葬り去る。知事さんも共通認識でいけと万事言っておられるのに、従わずにもっていこうとしている。そんな会議に出席しているわけにはいきませんので、私は絶対反対と述べて退席してまいりました」と退席の理由を話した。
さらに、「まだ、A案もB案も詰めなければいけない。どちらも、結果、存続できるものになるのかまったく詰まっていない。情報提供しながら詰めていくべき。感情論のようなもので、多数決でA案。それだったら県は出さなければいい」と述べた。小池市長はこの日の夕方になって翌5日に声明を発表することを明らかにした。
、会議終了後、三条市の国定市長がインタビューに応えた。4年半ほど前に、燕市、田上町、弥彦村、三条市と4市町村の首長がいっしょに「県央地域に中核病院と救命救急センターの設置を求める要望書」を泉田知事に提出していることを振り返った。※1
「きょう基本的には4年半前にお話を申し上げてきたかたちで全体の方向感で原案がまとまったと、ありがたく思っております」。ここから先は専門的な領域なので病院経営者など関係機関の議論のスピードアップを図ってもらい、「1日も早くこの原案が現実のものになっていくことを期待しています」とした。
加茂市長の退席について質問されたが直接、そのことに対する態度は示さず、「昨年、県に一任しようとまとまって、それでもなお県は私たちのために意見を開陳させていただく機会をちょうだいしまして最後、強いリーダーシップでまとめ切っていただいた。この結果そのものを重視していきたい」、「議論は尽くしました」と議論、結果の正当性を強調した。