「節分」の3日、三条市・法華宗総本山本成寺(石丸日然貫首)はことしも節分会を行い、日曜開催となった鬼踊りは境内までびっしりの人で埋まり、昨年より1万5,000人多い3万5,000人(主催者発表)の人出でにぎわった。
鬼踊りは午後1時と3時からの2回、戸を開け放った本堂で行い、石丸貫首をはじめ山内寺院住職が読経、参拝者の頭上で木剣を打ち鳴らして厄災をはらい、ことしで創立60周年になった「本成寺鬼踊り奉賛会」が鬼踊りを演じた。
どらとほら貝の音とともに、三条の金物にちなんだ金づちやのこぎり、金棒などを手にした赤、青、黄、黒、緑の鬼と白装束の三途川婆(そうずかば)が舞台に次々と上がり、ドラと太鼓、口上にあわせて鬼踊りを披露した。
大暴れした鬼たちに石丸貫主の「福は内」の声を合図に一斉にぶつけられる大量の豆と僧兵に懲らしめられて、鬼たちは退散。境内ではもみくちゃにされながたも子どもを抱いたり、参拝者の頭をなぜたりして、鐘楼堂に入って鐘をつき、改心した。
「立春」前日の春を呼ぶ恒例行事。この日は、気温は3.9度までしか上がらなかったものの穏やかな曇り空。この時期、境内が雪で覆われていることも多いが、ここ数日の好天と除雪作業で境内に雪はほとんどなかった。
午後1時からの1回目を前に、正午から地場産業振興祈願会が本堂で始まったころには、すでに本堂の内陣は参拝者で満員になり、読経の始まった1時には、境内の端までびっしりと人で埋まった。ことしは日曜に当たり、大勢の参拝者が予想されたことから、例年は本堂に設置した3つの舞台で演じる鬼たちが、本堂の外へ出て境内にも登場。本堂に続く石畳の上でも披露した。
縁起担ぎに鬼に子どもを抱いてもらおうと、親たちは順番に子どもを差し出し、鬼に抱きかかえられた恐怖で泣き叫ぶ子もいた。初めての鬼踊りに家族で訪れていた燕市の男性は、涙をぽろぽろと流す1歳の娘を抱きながら「迫力がありましたね」とうれしそうに話していた。