三条市・法華宗総本山本成寺の鬼踊りが昭和28年2月3日に誕生して60年。鬼踊りを演じる本成寺鬼踊り奉賛会(石丸幸広会長)と60周年記念実行委員会(鈴木芳男実行委員長)は10日、三条市・ジオワールドビップ「本成寺鬼踊り60周年記念祝賀会」を開き、人なら還暦ともなる節目の年を祝った。
来賓と奉賛会の現役会員や8人の歴代会長、OBなど60人が出席し、鬼踊り奉賛会の8人目、第11代会長の石丸会長があいさつした。石丸会長はことしの鬼踊りは日曜に当たって好天に恵まれ、境内に入りきれないほど大勢の参拝があり、そこで踊れたことを振り返り、「ご本山、お寺様方、ご本山に奉仕されている方々、諸先輩方のありがたいご協力があって、鬼を踊らせて頂けているのだと心より思いました」と述べて感謝した。
鬼踊りの歴史を紹介した。昭和28年(1953)2月3日が第1回目。当時の75世管長が活気を出そうと始めようとし、有志が集まり、画家が紙面や道具に絵を描き、建具職人が金物の町にちなんでおのやまさかりを、衣装はメリヤスに色を塗り自分たちの手で作った。せりふはにちげん上人。踊りは三条会館の芸者に黒田節などを教えてもらい、振り付けをアレンジしていった。
1回目の舞台は正面1カ所で、鬼が3匹。翌29年から5匹に増え、道具も金棒、おの、まさかり、のこぎり、さすまたなどを新調した。31年に紙の面から本格的な面に変え、33年に三途川婆が登場。現在の「本成寺鬼踊り奉賛会」は昭和49年に発足したことなどを紹介した。
最後に「これから私たち奉賛会一同、お寺のいち行事のほんの一部として奉仕し、なおかつ、諸先輩方が築きあげられた伝統を引き続き、さらに発展させながら、次の世代に引き継いで、70周年、さらには100周年を迎られるよう、本山のもとで一生懸命頑張っていかなくてはならないと思います」と決意を述べ、引き続きの指導と協力をと求めた。
来賓のあいさつでは、本成寺の要住院執事長は、本成寺の鬼踊りは60年の歴史と伝統を築いて広く知られるようになり、「そういうものを大事にし、三条の文化として発展していってもらえたらありがたい」、「本成寺も全国の総本山でございます。ここからそういう文化を発信し、三条の町を知っていただくというのも、三条への貢献になるんじゃないか」と述べ、奉賛会や三条の発展を願った。
国定勇人三条市長は、日本3大鬼踊りのひとつとされる本成寺の鬼踊りが、開山700年を上回る本成寺の歴史のなかで、わずか60年の歴史と聞いたときに驚きと深い感銘を受けたと話し、「この本成寺が歩んできた700年をはるかに上回る長久の歴史と同じくふさわしい、同じだけの道のりの長さを歩んできたと思わせる堂々たる風格を鬼踊りはすでに持っている」と述べた。
また、国内外からの来賓に鬼踊りを披露してもらい、「鬼踊りの歴史、持っている一つ一つの金物道具類がわれわれ三条市のDNAなんだということも、あわせてご披露申し上げながら三条という町の特性をしっかりと感じ取って頂き、話題性のきっかけにもつながる」と、同奉賛会の活動に感謝し、伝承を願った。
このほか、菊田真紀子衆議院議員、金子恵美衆議院議員、森裕子参議院議員があいさつ。村松弘本山内務取締役の発声で乾杯し、祝宴に移った。