シンガーソング絵本ライター中川ひろたかさんと盟友のギタリスト、下畑薫さんがつくるユニット「下中商会(しもなかしょうかい)」のライブが10日、新通保育園「ぬくもりホール」=新潟市西区=で開かれ、約80人が来場してご機嫌なエレキサウンドを満喫した。
中川さんは元保育士で絵本『さつまのおいも』を皮切りに絵本作家として活躍する一方、音楽活動にも取り組み、以前に結成していたバンド「トラや帽子店」で新潟県内でも精力的に活動。一昨年は「モダン・ギャグ・カルテット(MGQ)」を率いて三条市下田公民館でも演奏し、昨年は燕市市立図書館で開かれた村上康成絵本原画展にあわせて、燕市児童研修館「こどもの森」で開かれた中川ひろたか&村上康成ジョイントライブにも出演している。
下中商会は、下畑さんとの再結成ユニット。下畑さんはサポート、スタジオミュージシャンとして五輪真弓やイルカをはじめ数々のアーティストと共演。昨年7月に下中商会としてファーストアルバム『恋を抱きしめよう!』、それからわずか5カ月後の12月にセカンドアルバム『キス・アンド・クライ』をリリースしている。
今回はその2人にベースの和田弘志さん、ドラムの江藤良人さんの4人のユニットで演奏。ザ・ビートルズをリスペクトした懐かしくいエレキバンドのサウンドで、当時の音楽を知る人にはどこかで聞いたようなフレーズやサウンドがあちこちにコラージュされ、初めて聴く曲でもどこか懐かしい。
腰が浮いてくるようなストレートなロックンロールナンバーの数々に自然と体が揺れた。キャッチーなメロディーと相まって意外性のある言葉を散りばめた中川さんの詞は不思議と耳に残った。MCも中川さんの大きな魅力で、この日は客からしり取りをしてもらって、出た言葉について話すというユニークなスタイル。音楽と話で客とコミュニケーションした
アンコール前に最後の曲を終わっところでサプライズ。「バレンタインデー」の14日が中川さんの59回目の誕生日。中川さんがステージの袖に引っ込もうとすると、残った3人のメンバーが勝手に演奏を始め、きょとんとする中川さん。このバンドなら演奏曲は、してやったりのザ・ビートルズの『Happy Birthday』だ。
最前列の客に仕込んでおいたクラッカーが鳴り、特製のギターが描かれたデコレーションケーキが登場した。さすがの中川さんもぐっときた表情を見せ、ろうそくを吹き消し、休憩をはさんで2時間半にも及ぶライブはラブ&ピースにあふれてあっと言う間だった。