2月25日の「天神」こと菅原道真の命日に行われる天神講に向け、燕市は2月9日から燕三条ウイングと道の駅国上の2会場で「越後つばめ天神講菓子展」を開いており、市内の菓子店で受け継がれる天神講に供える菓子を展示販売している。
燕三条ウイングは25日まで、道の駅国上は24日まで開いており、天神講菓子を作っている市内9店舗のうちそれぞれ8店舗が作っている天神講菓子約30点を展示販売。ほかに販売は行わず展示だけだがグループホーム仲町でも15日から25日まで開く。
天神講は、天神の掛け軸を下げて子どもの成長、とくに学業成就を願う風習で、全国各地にさまざまな形で伝わっている。燕市内は天神講の供える菓子を作っているのがユニークで、全国的にもほとんど例がない。
天神講菓子は燕地区と吉田地区は粉菓子、分水地区は金花糖と分かれ、天神の座像をはじめ縁起物をかたどったもの。燕市は天神講菓子のPRに務めており、天神講菓子展は初めて開いた昨年に続いて開催している。
燕三条ウイングでは、単品の500円前後から、いくつかの種類をセットにした1,500円くらいものまである。白い菓子に黒、赤、緑、黄などで着色された菓子は飾りとしてもかわいく、春を呼ぶような暖かみのある色。孫のために買い求める人もあれば、うわさを聞いて地元にはないからと柏崎市から買いに訪れる人、首都圏に住む燕市出身の人が懐かしいからと新幹線の待ち時間を利用して買う人もいる。
いちばん人気は、カプセルに入ったおもちゃくらいの大きさの10種類以上の金花糖をセットにした「小物 かご盛」(780円)。もちろん天神も入っており、かごに和紙を敷いたパッケージの演出や天神講色が時期を問わずに飾っておいても違和感がなく、実際に食べることを考えると大き過ぎないのが好まれている理由のようだ。
道の駅国上では、天神講菓子とあわせて、しょうゆおこわと水ようかんも販売している。いずれも分水地区など一部で天神講のときにあわせて食べられたとのことで、売れ行きも好調だ。燕三条ウイング、道の駅国上とも目に見えてわかるほど昨年を上回る人気を集めている。