震災がれきの広域受入れを進めてきた三条市は12日、岩手県大槌町からの木くずを受け入れ、本焼却を開始した。三条市では受け入れ総量145トンを3月25日まで31日間に分けて搬入、焼却する。
初日12日の受け入れは、総量145トンのうちの3.17トン。午前8時前に木くずを積んだ特殊なコンテナトラックが三条市清掃センターに到着した。
建物内で空間線量と遮閉線量の測定値が広域受け入れを進める5市で定めた範囲内であることを確認し、通常の三条市のごみの入っているピットに投入。ほかのごみと混ぜ合わせ、8時40分に焼却を開始した。
この日、運ばれた木くずは、昨年10月に行った試験焼却と同じく、三条と同日に本焼却を開始した柏崎市の分と合わせて岩手県大槌町から専用のコンテナで搬出され、JR貨物で長岡市の貨物基地に到着し、特殊なコンテナトラックで三条市に運ばれた。
本焼却での搬入は、3月25日まで延べ31日間で、日曜と火曜を除く週5日の予定。1日にコンテナトラックで1回か2回、搬入量は約3トンから6.5トン、延べ台数は42回分。1日に2回コンテナを入れるのは主に土曜で、日曜の焼却分も搬入する。焼却は三条市のごみと混ぜあわせて24時間、毎日行い、焼却した灰は、2日に1回ていどペースで一定量がたまった段階で最終処分場に移動する。
受け入れを見守った三条市の宗村里士市民部長は、がれきの安全性についての質問に答え、試験焼却でも確認したように「一部市民の方々が不安に思われているかもしれませんけれど、まっく問題のない数字」との見解を示し、今後も空間線量など測定結果は市のホームページにも掲載していくと話した。
また、木くずを積んだトラックが同焼却場に到着する前後に、受け入れに反対する市民グループ40人近くが「本焼却反対」などと書いたプラカードを掲げて受け入れ反対の意思表示を行ったが、混乱はなかった。