燕市は14日午前11時過ぎから市役所で「燕市子ども応援・おひさまプロジェクト」に関する協定書の調印式を行い、同市がマッチングした太陽光発電の屋根貸し施設と発電事業者のそれぞれとの間で協定を結んだ。あわせて鈴木力市長は、同事業によって市が得る収入で全額公費負担による子どもの海外派遣事業を行う考えを明らかにした。
屋根貸し施設を提供する市内5社と燕市、弥彦村、新潟市の発電事業者3社の代表が出席。それぞれ協定書に調印し、鈴木市長から各社に認定証を手渡した。
この事業は、太陽光発電を推進するプロジェクトで、屋根を貸す事業所と発電事業者の両方を募集し、発電事業者は屋根を貸す事業所に対し、売電収入の5%以上を賃料として支払い、さらに屋根を貸す事業所はその賃料収入の20%以上を燕市子ども夢基金に寄付するという仕組みだ。
応募のあった事業所を市がマッチングした結果、屋根貸しは民間5施設と市有3施設の計8施設、発電事業者は3社に決まった。合わせると屋根面積はサッカー場4つ分の2万8,012平方メートル、発電能力は500世帯分の電力をまかなえる1,740メガワットに達し、昨年夏、吉田南最終処分場跡地に設置された「メガソーラーTSUBAME site」の発電能力の約1.7倍になる。
鈴木市長は、新年度は英語教育に力を入れる考えで、この事業から得られる燕市子ども夢基金を「子どもの海外派遣事業に使わせていただきたい」とした。市は毎年、オーストラリア・ブリスベンへの中学生派遣事業を行っているが、鈴木市長はこの事業を見直し、一定の基準をクリアした子どもを全額公費負担で海外へ派遣する考えを示した。「燕で育った子どもたちが世界へ羽ばたいていくという活動の一部に充てるのはふさわしい」と胸を張った。
最大の屋根面積を貸す和平フレイズ(株)=燕市物流センター2=・向井敬政取締役専務は、地球に優しい再生可能エネルギーの太陽光発電を生かし、子どもたちの育成にもつながる事業と評価し、「ぜひ燕市からのこのプロジェクトを力強く先導していただきたい」と期待した。
発電事業者のあいせき(株)=燕市八王寺=・相場弘介専務取締役は、同社は石油販売などを行う一方、3年ほど前からバイオマスエネルギーや自然エネルギーの事業に着手し、太陽光発電は住宅をメーンに取り組んでおり、今回のプロジェクトには、地場産業活性化や子どもたちの育成に役立てられることにも魅力を感じたと話し、「今後に向けての大きな第一歩を皆さまとともに燕市から発信する、全体としての社会貢献事業の一端をわたしどもも担えた」と喜んだ。
4月から太陽光発電装置の設置を始め、早ければ夏にも売電を開始したい考えだ。
民間施設 | |||
施設名 | 屋根面積 (m2) |
発電事業者名 | 発電能力 (kW) |
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三宝産業(株) | 2,400 | あいせき(株) | 50 |
新潟ステンレス加工(株) | 3,930 | あいせき(株) | 50 |
吉田金属工業(株) | 2,500 | あいせき(株) | 50 |
森井紙器工業(株) | 2,300 | (株)藤井商店 | 200 |
和平フレイズ(株) | 12,622 | (株)廣瀬 | 1,000 |
合計 | 23,752 | 1,350 | |
公共施設 | |||
施設名 | 屋根面積 (m2) |
発電事業者名 | 発電能力 (kW) |
吉田中学校 | 1,640 | (株)藤井商店 | 150 |
分水中学校 | 1,450 | (株)藤井商店 | 120 |
分水小学校 | 1,170 | (株)藤井商店 | 120 |
合計 | 4,260 | 390 | |
全体 | |||
8施設 | 28,012 | 3社 | 1,740 |