燕市分水良寛史料館では、3月10日まで新春企画展「良寛を描くー近現代作家展ー」を開いており、越後の禅僧、良寛(1758-1831)をモチーフにした作品を集めて展示している。
常設展示の作品とあわせて、物故作家8人の8点と現代作家8人の14点の計16人の22点を展示している。物故作家の作品でまず注目されるのは、三条市名誉市民第一号の日本画家、岩田正巳(1893-1988)の「良寛と童」。軸に手まりで遊ぶ良寛と子どもを描いている。
日展審査員だった日本画家、郷倉千靱(1892-1975)が良寛の手まりを描いた「良寛毬之図」、画家で書家や随筆家でもあった津田青楓(1880-1978)がつえを手にした良寛を描いた「良寛乞食之図」、良寛研究で知られた日本画家、栃尾(今の長岡市出身)の富川潤(1907-95)が国上山の五合庵を水墨画で描いた「五合庵」もある。
現代作家では、大幅に風景のなかに良寛を描いた水墨画の景丘治弥の「良寛と三重塔」と「国上山麓帰来之図」の存在感が際立つ。ほかにも燕市内の作家で燕市五千石の穂苅春雄、燕市長辰の松井寿子の日本画、二科会会友の三浦梨加の洋画、新潟市の藤井克之の墨彩画、加茂市出身で山形県山形市に住む東北芸術工科大学准教授番場三雄の日本画なども並んでおり、それぞれが抱く良寛のイメージを作品に込めている。
午前9時から午後4時半まで開館、月曜は休館。入館料はおとな300円、学生200円。小・中学生100円。問い合わせは同史料館(電話:0256-97-2428)へ。