昔懐かしい防寒着「角巻(かくまき)」で冬の三条のまちなかの小路を歩いてもらおうと24日、「まちなかぶらぶらみてあるき」が行われ、参加した10人は氷点下の寒風が吹きすさぶなか、小路に記録された歴史を踏みしめた。
23、24の2日間、JR北三条駅南側の旧三条町、文教エリア4施設で開かれた「まちなか文化祭」にあわせて行われた。三条市中央公民館を発着点に燕三条プライドプロジェクトツーリズムグループのメンバーで三条地名研究会会長でもある杉野真司さんをナビゲーターに小路を歩いた。
初めての事業で、2004年から角巻を着たまちあるき「あわゆき道中」を行っている上越市高田の「あわゆき組」から女性用に角巻、男性用には大正時代から流行した“とんび”を借りて行った。
青空がのぞいたり吹雪になったりとネコの目のように天気が変わった。スタートは午後1時半で、1時の三条の気温は-2.5度。角巻、とんびにふさわしい厳寒のなか、途中、歴史民俗産業資料館と丸井今井邸で休憩し、明正小路、三条座小路、新小路、菅原小路などを歩いた。
角巻はピンクや茶、とんびは黒。今の時代となっては異様に映る集団に出くわし、何事かと目を丸くする市民もいたが、歩いている人たちは雰囲気満点。三条に生まれ育っても初めて歩く細い小路もあり、車もほとんど走っていない遠い時代に思いをはせた。
三条市曲渕2、田中日登志さん、洋子さんは写真を愛好する夫婦で、撮影を兼ねて参加した。今の西裏館の“殿町”に生まれ育った日登志さんにとっては、どの小路も子ども時代に歩いたふるさとの原風景で、「すごく懐かしかったけど、初めてわかったこともいっぱいありました」。洋子さんは「角巻はとても暖かかった。天気が荒れなければ本当は着物の上に着たかったんですけど」と、早くも次回に期待していた。