三条市下田地区のソバの生産者などでつくる「お日待ちそばまつり実行委員会」は3日、JAにいがた南蒲下田支店で第7回お日待ちそばまつりを開き、そば打ち体験や手打ちそばの提供などで下田のそばをアピールした。
同イベントは7回目で、JAにいがた南蒲と共催。下田地区でソバを栽培する「ソバ部会」=石月勇一会長・15人=が中心となって打ったソバを大勢の人に味わってもらい、下田のソバを広く知ってもらおうと開いている。
「お日待ち」とは、前夜から潔斎して日の出を拝むことで、とくに陰暦の正月、五月、九月の吉日を選んで行ったとされ、日の出を待つ間に、皆が集まって飲食を共にし、歌や舞などを楽しんだとされるという。
同下田地区では、大切な客をもてなすときは、料理のほかにそばを食べてもらう風習があり、大切な春を待ちわびる「お日待ちの日」にもそばを食べるようになったと伝えられている。用意したたそばは、下田地区で生産されたソバ粉に、地元で生産する自然薯(ジネンジョ)をつなぎにした、こしのあるめん。100円増しの天ぷらのトッピングも下田で栽培するタラノメの天ぷらとタマネギのかき揚げ付きで、ゆでたてを味わってもらった。
自然薯入りのそばは、用意した約300食が正午過ぎに完売し、その後は自然薯なしのそばを販売。自然薯入りを食べた年配の女性は「おいしかったよ〜、つるっとして」、「タラノメのほろ苦さが口に広がって春を感じた」と話していた。
そば打ち体験はそば部会などの経験者が指導した。1回2,000円の参加費で4人前ほどのそばを自分で打って土産に持ち帰ってもらった。来場者はそばを味わったり、そば打ちを体験したりしたほか、郷土料理の「ひこざえん」やサツマイモコロッケの下田名物「紅コロ」、シイタケ、農産部など販売。下田の春の味を次々と来場する人にアピールした。