火焔土器に代表される縄文をキーワードに、三条市など信濃川中流域の市町村が交流・連携をはかる信濃川火焔街道連携協議会が主催する「カムバックサーモン事業」が7日、三条市で行われ、三条市立大浦小学校の児童に同校近くの日端川にサケの稚魚25,000尾を放流してもらった。
同校は毎年2回、五十嵐川漁協の協力でサケをはじめ、イワナやヤマメ、アユの稚魚を五十嵐川に放流しているが、今回は同協議会が主催。五十嵐川が一昨年の7.29水害による災害復旧工事中だったことから五十嵐川支流の日端川での放流した。
五十嵐川漁協は平成16年の7.13水害に続いて7.29水害でも施設が被害を受けたため、昨年はサケの孵化(ふか)事業ができず、今回は2年ぶりの五十嵐川に上ってきたサケの稚魚の放流となった。
放流には1年生から4年生までの41人が阿部浩一校長や教諭とともに参加。まだ積雪が50センチほどある日端橋の下の河原で稚魚を児童が順番に放流した。
稚魚は体長5センチ前後、体重は約1グラム。稚魚がいっぱいに入ったバケツを静かに川につけ、「元気でね」、「がんばってね」、「いってらっしゃい」と優しく声をかけながら雪解け水が勢いよく流れる川を泳ぎだした稚魚の黒い背中を見送った。
放流のあとは質問タイムで、「サケは何度くらいの水で生きるのですか」、「どんなものを食べますか」、「(放流した川に戻るサケは)迷子にならないのですか」など、五十嵐川漁協のサケ博士に次々と質問した。
放流した稚魚は、順調にいくと4年後、3.5キロから4キロほどに育って帰ってくる。日端川では昨年もサケの遡上がみられたという。