4月からの本格運行を前に2月1日から実証運行を行っている燕市の公共交通システム、予約制乗合ワゴン車「おでかけ きららん号」は、2月1日のスタートから1カ月間で延べ1,346人、1日平均68.8人の利用があった。
予約を受けて玄関まで迎えにいくデマンド交通で、土、日曜と祝日を除く平日に運行。燕地区の東エリアで2台、吉田地区と分水地区の西エリア(ただし横田地区は東エリア)で3台と、2つのエリアに分けて5台を運行する。
運行時間は7時便から17時便まで1時間刻みで、13時便だけ運行がなく、1日10便。それぞれの1時間単位ですべての利用者を送迎する。ワゴン車は運転手を除いて定員9人、利用料金は中学生以上300円、小学生100円、未就学児は無料。
1日の利用者はスタート当初は50人前後だったが増加傾向で、下旬には80人前後に。1日の利用者が最も多かったのは27日の97人だった。1カ月間の時間別の利用者は、10時便が203人と最も多く、次いで9時便の200人。
目的地は燕労災病院と県立吉田病院が圧倒的に多く、それ以外の利用もほとんどが医療機関。利用者も70歳代から80歳代の女性が多く、車を運転できない高齢者が午前中に通院目的に利用しているという形だ。
スムーズな運行のために利用者には事前に利用登録を求めている。登録は無料。昨年暮れから実証運行前に利用説明会を開き、会場で利用登録を受け付けたこともあり、2月末までに4,852人が利用を登録。昨年12月末までに登録した人には、実証運行期間中に1回無料で使える無料乗車券をプレゼントし、1,723枚を発行したが、利用率はまだまとめていない。
担当者の感覚では、利用者は複数回、利用している人が多い。実証運行中の利用見込みなどは立てていないが、利用者が順調に増えており、周知が進んでいるとみる。一方で個人宅や買い物に出掛けるのにも利用できるので、通院以外の利用に期待している。
数字の上では、東西エリア合わせて1時間に原則45人が利用できる計算だが、最も利用が多かったのは20日の10時便で、その半分にも満たない19人。これだけを見ると利用にはかなり余裕がありそうだが、それでも距離が遠いなどの理由で1時間で回り切れないコース設定になったために利用を断ったケースがある。
雪による渋滞で実際に1時間で回り切れなかったケースもあったが、大幅な遅延はなく、利用者に対する聞き取り調査ではおおむね好評価と言う。今後の実証運行のなかでさまざまな課題を洗い出して4月の本格運行を迎える。また、説明会での市民の要望を受け、本格運行にあわせて11枚つづりで3,000円と得になる回数券も発行する。
利用登録は燕庁舎生活環境課、吉田庁舎の吉田サービスセンター、分水庁舎の分水サービスセンターで受け付けている。問い合わせは生活環境課(電話:0256-63-4131)へ。