燕市立吉田中学校(目黒進校長)の1年生27人が13日、燕市佐渡、特別養護老人ホーム「さわたりの郷」を訪れ、職場を見学するとともに高齢者疑似体験セットを着用して、80歳になった未来の自分も体験した。
この日午前は、毎年行っている1年生の職場訪問学習。1年生は247人は12のグループに分かれていっせいに地元の消防署やホテル、工場などを訪れたもの。
「さわたりの郷」の訪問は今回が初めてで、生徒は職員から施設を案内してもらい、用意した質問に答えてもらうとともに、高齢者疑似体験セットで高齢者の機能低下を体験した。
80歳くらい機能低下を体験できるセットで、重りを入れたちょっきを着て、足から首に回してベルトで背中を曲げて歩かざるを得なくなる。ヘッドホンを着けると難聴になり、ゴーグルで視野が狭く景色がかすんで白内障のように。指はテープで束ねて動きにくく、サポーターでひじやひざが曲げ伸ばししにくい。
ジャージの上にセットを着用した生徒は、異様なスタイルに照れ笑いしていたが、いざ動こうとすると思うように体が動かない。歩くにも腰をまげてつえをつき、下を向いて足元を確認しながらゆっくりと足を進める動作は、高齢者そのものだった。
そのままトイレで便器に座ったりする動作や階段の昇降、布団に寝たり、新聞を読んだりといった日常生活を体験。田中且之君は「布団に寝るのが難しくて色も区別できませんでした。思った以上に重くて大変でした」。ほかにも「腰が痛くて空気いすよりつらい」、「部活の方が楽かも」と話す生徒もいた。このあと生徒は訪問をレポートにまとめ、発表して学習を終わる。