三条市の新成人を祝い励ます事業を行っているNPO三条市成人式サポート協会(松永一義代表)は15日、国定勇人市長を表敬訪問し、20日の成人式で新成人に寄贈する諸橋轍次博士の座右の銘「行不由径」をデザインした手ぬぐいを披露した。
午前9時半に同協会の松永代表と大野信一副代表、渡辺喜久雄副代表の3人が市役所を訪れた。
同協会は、三条市の未来を担う若人に郷土の誇りと期待を伝えようと、地域の企業や市民団体や個人に募った浄財で三条市の歴史や伝統文化にちなんだ品物を作成し、成人式の記念品として新成人に贈っている。2007年に活動を開始してことしで7年目。これまでに携帯ストラップやスノーピーク社製の箸などを、成人式に出席した新成人にプレゼントしている。
今回は、三条市の名誉市民で日本を代表する漢学者の諸橋轍次博士の座右の銘で論語の「行不由径」の4文字をデザインした手ぬぐいを製作した。「行くに径(こみち)に由(よ)らず」と読む。近道せずに大道を一歩一歩、着実に歩むという意味。藍染の色「ジャパンブルー」の生地に白抜きで、「行不由径」は縦横2文字ずつ並べて周囲を四角い枠で囲み、落款(らっかん)風にデザイン。小さな文字で「諸橋轍次」の名前と「三条市」の文字と市章、ホームページアドレスをレイアウトした。
松永代表らは、三条の生んだ世界的に有名な漢学者諸橋轍次博士の言葉や三条市のアドレスなどを通じて、全国にちらばる新成人に三条を思い出してもらいたい。できれれば三条市に残ってほしいとの思いが込められていると話した。
2012年の年頭のあいさつで「行不由径」を掲げて三条市を盛り立てていこうと話している国定市長は、「ジャパンブルー」に「行不由径」のレイアウトされたてぬぐいを「かっこいいですね〜、この色いいですね」。
呉服店を経営する松永代表は、30年以上も三条市の成人式を見ているが毎年、整然としていて他県で報道されるような騒ぎはなく、檀上に上がろうとした新成人を1度見ただけと言う。合併後は燕三条地場産センターで実施される成人式は、2階席は家族などに開放しているので、ぜひ多くの人に見に来てもらい、三条の良さを知ってほしいと願った。
また、ほぼ前年踏襲で行われている成人式について、実行委員がその年の新成人のみで構成されていることが大きいのではとして、その前と後の3年代に入ってもらったら、より良い成人式ができていくのではと提案。
さらに、成人式を見に来て「来年は実行委員になりたい」という若者が出てくるようになれば、三条はもっとよくなり、実行委員会組織がしっかりしてくれば20歳のあとは、40歳、60歳とダブル、トリプルの成人式を町の中で開催するなど、さらにパワーが増すはずと期待した。ちょうど40歳の国定市長も、「あ〜ぼく、ことしだった」と残念そうに言ったが、「徹底的にやりましょう、おとなの成人式」と期待を込めた。
平成24年度三条市成人式は、20日午後1時から燕三条地場産業振興センターで開催される。