三条市の空き店舗対策事業を利用して昨年10月2日にオープンした手作りケーキが人気のカフェ「カフェ・トゥジュール」=同市神明町=は19日、これまでのバニラ風味に加えて大吟醸の酒かすを使った米粉のシフォンケーキの販売を開始した。
値段はバニラ風味と同じく1個320円。バニラ風味よりやや色が白く、スプーンにとって口元に運ぶと、まぎれもない日本酒の香りを感じる。ケーキと日本酒の取り合わせに首をかしげる人もあるだろうが意外なほどマッチし、このあとにバニラ風味を食べると物足りなく感じるくらいだ。
米粉は百パーセント三条産のコシヒカリ。米粉ならではのもちもちとしてしっとりとした食感がこくを引き立てる。
店主は三条市井栗に生まれ育った五十嵐美絵さん。小麦粉、白砂糖、乳製品などアレルギー物質を使わずに“おから”で作ったガトーショコラをはじめ、毎日10種類近い手作りケーキが並ぶ。
高校を卒業してすぐ大阪へ移り、17年間、専門学校を卒業してからパティシェとして働いた。ふるさとへ戻って同店を開業。酒かすを使ったシフォンケーキは、開業前の昨年春にも作った。知り合いの酒蔵から酒をしぼったあとの酒かすを分けてもらった。「お米とお酒は仲間なので合わせたらどうかなと思って」と五十嵐さん。友人から食べてもらい、好評だった。
それを喜んでくれた酒蔵は、ことしは大吟醸の酒かすを用意してくれた。酒かすを使ったチーズケーキやガトーショコラは聞くが、シフォンケーキは珍しく、それも酒かすが大吟醸となるとなおさら。さすがに大吟醸は香りが強い。五十嵐さんは「風味が強いので酔った気分になるという人もいます」と笑う。販売初日の19日、ランチタイムのケーキ&ドリンクのセットはほとんどの人が酒かすを使ったシフォンケーキを試してくれた。
16日に近くにオープンしたまちのみんなの交流拠点「みんくる」と同じ場所に3台分の駐車場も用意した。「濃厚な香りともちもちした食感を味わいに来てほしいです」と五十嵐さんは来店を待っている。
月曜定休で午前11時から午後10時まで営業、日曜は午後7時まで。ランチタイムは午後3時まで。問い合わせは同店(電話:0256-33-1576、神明町9-1-パルム3-106)へ。