三条市が創業地の(株)コメリ=捧雄一郎社長・本社新潟市=と三条市は21日、温室効果ガス排出量購入に関する調印式を行い、経済産業省が行う「国内クレジット制度」に基づき三条市の2施設の木質ペレットボイラー使用による温室効果ガス排出削減事業で認証される二酸化炭素排出量の譲渡と購入について合意し、調印した。
午前9時10分から三条市役所で調印式を行い、国定勇人三条市長とコメリの捧社長がそれぞれ協定書に署名、押印した。
「国内クレジット制度」は、京都議定書目標達成計画で規定されている大企業などによる技術・資金等の提供により、中小企業などが行った温室効果ガス排出削減量を大企業などが自主行動計画や試行排出量スキームの目標達成などのために活用できる制度。
同制度に基ずく取り組みは、三条市では初めて。コメリは環境保全の一環として4年前から始め、佐渡市関連で新潟県との間で行っている。
三条市との調印は、市内の保内公園といい湯らていの2つの施設のペレットボイラー使用により、化石燃料を使用していないことから減る二酸化炭素の削減分を同社が購入する形。その二酸化炭素排出量は1,288トンで、購入額は年間128万8,000円となる。
この量は、同社の1年間に排出する二酸化炭素量の約1.6%に相当し、地球温暖化対策基本法に定められた排出削減量の報告に使用する予定としている。
また、バイオマスタウン構想を実施している三条市では、今回の収入をさらなら環境対策に活用するため、同構想の課題のひとつとなっている里山の間伐材をペレット化することとし、まずは間伐材の搬送のための費用などに活用したい考えだ。
調印式後の記者会見で国定市長は、三条市で使用するペレットは本来、三条市の山林から生まれたペレットにしたいが、ペレットストーブの需要を増やしたところで、ペレットの供給量が追い付かない。それでは三条市のバイオマスタウン構想が完結しない。里山保全にも効果のある間伐を促進し、いかにペレットに転換させるシステムを構築するかが課題とした。
また、昨今のエネルギー問題は原発の是非論に議論が向かいがちだが、同時に地球温暖化対策も大切な課題であることを多くの人から知ってもらい、自分たちにできることは何か思い返し、それがペレットストーブの購入につながったり、里山保全につながるかもしれないし、社会環境構築につながるきっかけになればと話した。