三条市国際交流員のカナダ出身ピーター・カーターさん(26)の発案で昨年7月にスタートした子どもを対象にした英語劇の教室が発表会が24日午後2時から三条市総合福祉センターで開かれ、「不思議の国のアリス」を上演して8カ月の成果を発表する。
教室の生徒は三条市内の小学校1年生から高校3年生まで女子ばかり23人で、そのうち21人が出演する。これまでの教室の取り組み、指導を手伝ってくれたALTを紹介したあと「不思議の国のアリス」を上演する。
子どもたちがステージで生で英語を話す演劇を目指したが、間に合わなかったため、一部は生だが、大半はあらかじめ子どもたちが英語のせりふを録音したものを流して当て振りのような形で約40分、演じる。上演後、フィナーレで出演者がひとりずつ順に英語で自己紹介し、解散式を行って活動を締めくくる。
「英語の勉強は楽しくないけど、英語で劇をやれば」と一昨年4月から三条市国際交流員を務めるピーターさんの思いつきで始まった。思いつきなので予算はゼロ。これまで約20回の教室を開いて準備を進めた。
最初はゲームで仲良くなってから練習劇「三匹の子豚」に取り組んだ。それから本番で、子どもたちで話し合って「不思議の国のアリス」を上演することに決めた。せりふも自分たちで考え、ピーターさんが英訳。大道具は市職員が作り、頭に着ける花の飾りは子どもたちが自分で作った。あわせて毎回、ワンポイント英会話教室も開き、仲良くなった友だちと遊んでいる感覚で楽しく英語にふれた。
22日は午後5時から最後の教室を開いた。この日が通し練習が初めての子どももいて不安はてんこもりだ。ピーターさんは「個々で練習してもお客さんの前では緊張すると思う」と心配しながらも「練習はうまくいっているので、自信をもってやってほしい」と子どもたちの本番で力を出し切ることに期待した。
王様とチシャ猫を演じる第三中1年生川勝琉南さんは、友だちに誘われて教室に参加した。これまでの教室は「だるまさんが転んだとか、ゲームが楽しかった」とにこにこ顔。「チシャ猫がしゃべるときの手を動かすしぐさが難しい」と言いつつ、不安はこれっぽっちもなく、「結構、楽しくなりそうです」と頼もしい。市では子どもたちの練習の成果を見届ける大勢の市民の来場を待っている。