三条市立大島中学校(杉山敏校長)で21日、「海豪うるるさんの寺子屋授業@大島中学校」が開かれ、料理研究家でエッセイストの海豪うるるさんと対話形式の授業を受けた。
この寺子屋授業は、同校PTAの主催で子どもたちの表現力やアピール力を養うのを目的に企画されたもので今年度3回目。1回目は文科省の子ども対策安全支援室の授業を同校生徒が受け、2回目は昨年11月に脳科学者茂木健一郎さんの授業を同校生徒と一緒に同中学校区の大島小と須頃小の児童も受けた。
今回も大島中の卒業した3年生を除く1、2年生32人と大島小と須頃小の6年生25人も参加。講師の海豪さんは茂木さんの脳科学ゼミナールに参加するいわば弟子で、おいしいと感じる人間の感覚を脳科学の視点からアプローチし、茂木さんとの共著『茂木健一郎の脳を幸せにするレシピ 』も出版している。
茂木さんの授業のときと同様に児童生徒は体育館で海豪さんを囲むような形に並べたいすに座った。海豪さんは奈良県に生まれ、新潟県を訪れたことはあるが、三条市を訪れたのは初めて。学校の近所の「侍ラーメン」で背脂ラーメンを食べてきたことなどを話してから本題に入った。
料理研究家の仕事はテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、ウェブといったさまざまなメディアで料理に関する企画などで、資格ではないので、料理研究をしていると言えば誰でもすぐに料理研究家になれると、自身の仕事を紹介した。
おいしいと思う料理を子どもたちに質問しながら、「おいしいという体験をたくさんもっていることが生きているうえで武器になる」、「脳が喜んでいる状態、そのときがおいしいと感じる」と話した。
杉山校長が生まれ故郷の柏崎市の海の岩場で、自分で拾った貝を料理したものが何よりもおいしいと話したことについて、「海岸で拾ったということは味覚とは関係ない」が、「心のなかで感じるおいしさが膨らんでいる」と解説。子どもたちは五感以外で感じるおいしさを自分の経験のなかから思い出しながら、ふだんは考えることのない“おいしさとは何か”をあらためて自分に問いただしていた。