岩手県大槌町の震災がれきの木くずの処理を終わった三条市に岩手県知事から礼状 (2013.3.27)

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東日本大震災により岩手県大槌町で発生した災害廃棄物の三条市など本県での広域処理の終了に伴って、岩手県の環境生活部長が27日、国定勇人三条市長を訪問。達増拓也岩手県知事名の礼状を手渡し、受け入れに感謝の気持ちを述べるとともに、理解してくれた市民にも礼をと伝えた。

左から国定壇上市長、岩手県環境生活部の工藤部長、熊倉三条市議会議長
左から国定壇上市長、岩手県環境生活部の工藤部長、熊倉三条市議会議長

午前11時半に岩手県環境生活部の工藤孝男部長と千葉稔主任主査の2人が市役所を訪れ、国定勇人市長と同席した熊倉市議会議長の2人に、震災廃棄物の処理状況を報告するとともに感謝の気持ちを伝え、岩手県の達増県知事と佐々木博岩手県議会議長の連名の礼状を読み上げて手渡した。

工藤部長はあいさつで、三条市で引き受け入れてもらった岩手県大槌町の柱材、角材については、3月22日に滞りなく搬出が終わり、処理が完了したと話し、礼を述べた。

さらに、「本県での津波被害の震災廃棄物は525万トンという途方もない量で、これは岩手県内で毎年処理している一般廃棄物のゆうに10年以上に匹敵。県内ではなかなか処理がしきれないということで、地元からもがれきの処理を進めないと復興も進まないと、なるべく早く処理してくれと強い要請があった」。

国定市長に感謝の言葉を述べる岩手県環境生活部の工藤部長と千葉主任主査
国定市長に感謝の言葉を述べる岩手県環境生活部の工藤部長と千葉主任主査

そういったなかで県内だけでは十分な対応できないとして、「広域処理をお願いしまながら、なんとか3年以内に処理を進めようとしたが、放射性物質の拡散に対する一般的な不安があり、なかなか進まなかった経緯がある」と話した。

そのなかで、三条、長岡、柏崎、新潟、新発田の新潟県内5市から引き受け、大槌町を手伝ったもらったことに礼を述べた。

さらに、「最終的な量は決して多い物ではございませんでしたが、それをもって広域処理必要でなかったのではとの声があるということは承知しているが、全体でみれば、やっと可燃物の中の柱材・角材の処理が終わったという段階。その分をほかの可燃物の処理に回せるということで、これでなんとか可燃物全体、来年度中に処理できる見通しができたという状況。お手伝いいただいた分を県内で処理できる」。

「放射能に対する不安が払しょくされない中で、いろんなご苦労をいただいたと思います。またご理解を頂いた市民の方にも深く御礼を申し上げます」と、深く頭を下げた。

国定市長は、震災廃棄物の広域受け入れは、本日27日、最終処分場への最終搬入が終わったところとし、「私どもも、もう少し早く受け入れ準備を整えて、皆さまがたの震災からの復旧復興に少しでも多くのお手伝いができればとしてきたが、結果として広域受け入れせざるをえない量が減ったと言うことは、復旧復興が進んでいるとほっとしている」との考えを示した。

県全体で300トン、三条市で150トンていどの処理しかできなかったことを「(岩手県全体の総量)525万トン全体の膨大な震災廃棄物の量と比較すると逆に心苦しく思っている」。

¥国定市長はこれからの被災地支援も約束して岩手県環境生活部の工藤部長と握手
国定市長はこれからの被災地支援も約束して岩手県環境生活部の工藤部長と握手

「受け入れに当たって岩手県の方々に逆にさまざまな気苦労をさせてしまった。同じ日本人として心から申し訳なく思っている。なんとか困ったときはお互い様の精神で、この分はぜひともとおっしゃっていただいたその分はすべてを焼却できたが、まだまだ復旧・復興は道のりは長いと承知している」と、今後も支援を続けたいとし、仮設住宅での「生活不活発病」が深刻な状況になっていると聞いたとして、健康面からの応援ができないか検討していると明かした。

「広域処理という観点ではほとんどお役にたてなかったことに対して心からお詫びを申し上げますとともに、そうしたなか感謝と言われるようなことをしているわけではございませんけれど、足をお運びいたしました工藤部長様の行動に、市民を代表しまして心から感謝を申し上げたい。これをきっかけにまた、全力で応援し続けることをお約束させていただきます」と、ときどき目を潤ませながら話していた。

工藤部長はこの日、長岡市と柏崎市を礼状とともに訪問した。岩手県全体の震災津波廃棄物は525万トンで、2年たった現在、約3分の1の処理を完了したという。達増岩手県知事からの礼状の全文は次の通り。


礼状全文

東日本大震災津波により発生した災害廃棄物のうち、本県大槌町の柱材・角材につきましては、新潟県内各市において広域処理を受けていただいたことなどから、おかげさまで3月22日の搬出をもって処理が終了しましたので御報告申し上げます。

貴市におかれましては、放射性物質に対する住民不安が払拭されないなか、先頭に立って多方面と調整いただき、その処理に積極的に取り組んでいただきました。三条市におかれましては154トン処理いただきました。市長をはじめとする関係者の皆様に敬意を表しますとともに、御理解をいただいた市民の皆様に厚く御礼を申し上げます。

今後、一刻も早い復興のため、災害廃棄物処理の早期完了に向け、これまで以上に邁進して参る所存でありますので、、引き続き皆様方の格別の御支援をお願いいたします。

平成25年3月27日

三条市長 国定勇人様

岩手県知事 達増 拓也

岩手県議会議長 佐々木 博

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