色鉛筆の味わいを生かしたやわらかなタッチのイラストを手掛ける三条市の渡辺花子さん(34)は、29日から31日までの3日間、三条東公民館で3回目の個展「hanacoten vol.3」を開いている。
前回の個展でも展示した色鉛筆とパステル、水彩で女性を描いた「Flower Child」シリーズの7点と、講師を務める色鉛筆画講座の手本用に花や動物を描いた作品、さらに今回の個展に向けてあらためて女性を描いた新作など19点の合わせて26点を展示。作品をデザインしたポストカードの販売も行っている。
作品は柔らかなトーンやグラデーションで描かれ、ソフトフォーカスのようにも見える表現は色鉛筆ならでは。色彩も淡く、夢のなかへ溶け込んでいくような世界を見せてくれる。初日29日は職業訓練校での教え子が連れ立って訪れて会場がにぎわった。
渡辺さんは三条高校で美術部に入り、当時、美術部顧問だった墨彩画を描く画家、藤井克之さん(58)=新潟市西蒲区=に学んだ。2001年に長岡造形大学を卒業して以来、仕事が忙しくて絵を描く余裕がなかったが、3年前に3月に友だちから制作を依頼されたのがきっかけで再び絵に向かった。
その年に早くも初めての個展を開き、一昨年に2回目を開いて今回が3回目。「2年ぐらい間を空けようと思ったんですが、藤井先生に続けるのが大事と言われて。年度だと今年度中ということで」と渡辺さんは笑う。
昨年は職業訓練校でパソコン指導のアシスタントとして働いていたが、「絵を描くモチベーションを保つために花屋がいちばん」と、近所の花屋さんに勤めるようになった。子どものころから夢見た花屋の店員になることができた。
昨年3月から新潟市で色鉛筆講座を務め、この4月からは下田公民館で始まる「大人のぬり絵サークル」、三条東公民館で始まるパステルアートの入門講座の講師も務める。渡辺さんの作風にあこがれて絵を始めようという人が着実に増えている。
一方で、今回の作品展に向けて久しぶりに女性を描いたことで、「人物を描くのが楽しいと再確認できました」と渡辺さん。「これからは絵を描く前提で生活したい」とますます絵の世界にどっぷりだ。
30日は午前10時から午後6時まで、31日は午後5時半まで開く。入場無料。