三条市は7日、清掃センター前に完成した環境啓発施設「かんきょう庵」の竣工式を行い、関係者や市民などが参加して無事完成を祝った。
午前10時から三条市福島新田乙の清掃センター正面の道路をはさんで向かい側に完成した「かんきょう庵」で行った。国定勇人市長はじめ市議会、自治会長、建設関係者など計36人と市民などが列席。式典に続いて、テープカット、栄中央保育所の年長児45人による遊戯のアトラクションを行った。
国定市長は式辞で、環境と暮らしの情報発信施設である同施設を拠点とし、たい肥化施設など周辺施設と連携した中で環境学習やイベントなどを通じて、市民の環境意識の高揚を図りたいとした。とくに次代を担う子どもたちから、地球環境が将来とも動物にも植物にもいい環境となっていくにはどうしたらいいのか学び、実践していくための一助となればと願った。
同施設は、木造平屋建て、延べ床面積481平方メートル。「地球にやさしい家」をコンセプトに、床や天井をはじめ大きなマツをはりに使うなど、木材をふんだんに使った内装と外観は古民家をイメージしたという造り。
自然エネルギーなど環境について学ぶ展示コーナー、会議室や体験工房、予約なしでだれでも利用できる「いろりの間」、授乳室、男女・多目的トイレなどを備える。
夏場の涼に期待できるという南北の風の流れを活用するために北と南に窓を設置、冬場の暖房にも関係する断熱材に工夫、窓は二重サッシ、内装は一部県産のスギを使い、三条産のスギで作ったベンチも設置した。
間伐材を使用するペレットストーブを4台設置したほか、雨どいを使って雨水を貯めて散水など再利用するためのタンクを設置、駐車場は清掃センターの焼却灰を固化した砂状のスラグを有効活用したアスファルトで舗装、芝生広場の築山の土は7.29水害で住宅下などに流れ込んだ土砂を利用した。
植え込みには葉を食べられるウコギを植え、資源や自然エネルギーの有効利用など、環境に関連した工夫やこだわりが随所にちりばめられている。それらを確認するだけでも自然環境についてや住宅建設のヒントも学べる。
「かんきょう庵」は、「環境を考えて優しいことができる心をもつ人が育ってほしい」と願う交流の場。だれでも予約なしで入場できる。平日は市内の小学4年生の社会科授業での利用をはじめ、同施設主催の講座の実施、不用品交換会なども計画されており、環境教育のために役立てられる。
開館時間は午前9時から午後5時。休館日は12月29日から1月3日まで。問い合わせは、「かんきょう庵」(電話:0256-45-7040)へ。