三条市は、東日本大震災で大勢の避難者を受け入れ、どう対応したかを風化させずに次世代の職員に伝えようと冊子『東日本大震災広域避難者受入れの記録』を作成した。
A4判、116ページで、「避難者の受入れ」、「三条市が行った避難者支援」、「アンケート結果から見る今後の課題」、「避難所生活から新たな生活へ」の4つの章からなる。避難所の開設から閉鎖、その後の支援までを時系列的に3段階に分けて概要を掲載し、三条市が行った41項目の避難者に対する支援策をまとめた。
読み物ではなく、資料集、マニュアル、手順書といった形式で、職員の使用を想定して現場での課題に調べやすいようQ&A形式の目次を設け、客観的な意見もわかるよう「避難者(ボランティア)の声」も掲載した。
三条市は東日本大震災発生から6日目の一昨年3月16日から福島県からの避難者815人を受け入れ、今も180人近くが市内で避難生活を余儀なくされている。避難者の受け入れの対応を冊子にまとめたのは、県内ではおそらく三条市が初めて。県内市町村にも冊子の配布を予定する。
11日の定例記者会見で国定勇人市長は「我々がこの機会に蓄積することができたノウハウをやはり我々自身がしっかりと整理をして我々自身の次の世代に万万が一あってはならないことですけれども、災害があったときにこのノウハウを生かしていくことができれば」と話した。