世界で活躍する三条市出身のジャズボーカリスト&フリューゲルホルンプレーヤーのTOKU(トク)さんの2年ぶり2回目の三条でのコンサート「TOKU JAZZ LIVE 2013」が6月2日午後3時半から三条市中央公民館で開かれ、その入場券が4月16日午前9時に発売される。
三条市が主催し、入場券は3,000円、当日券は500円増しで、前売りが完売したら当日券は販売しない。定員500人。入場券は会場の三条市中央公民館をはじめ、平日は嵐南、栄、下田の各公民館でも販売する。
TOKUさんは1973年2月、三条市生まれで、日本唯一のボーカリスト&フリューゲルホーンプレーヤー。大学2年の時に米国に語学留学し、ルームメイトのジャズピアニストとともにバンド活動を始め、大学卒業後、ライブハウスで歌っているところを米国のラジオ・パーソナリティーにスカウトされた。
2000年1月にアルバム『Everythig She Said』でデビューし、当初から注目を集め、その年の8月には早くもジャズ・クラブ「ブルーノート東京」に出演。海外公演も積極的に展開している。
国内アーチストとの共演、レコーディングはもちろん、2011年にシンディ・ローバーが東日本大震災の時に来日したコンサートで共演、アルバム『メンフィス・ブルース』にも参加している。
そのTOKUさんのデビュー10周年を記念したコンサートが2011年11月、凱旋(がいせん)ともいえる形で初めてふるさと三条市で開かれた。当日、会場は満杯で、ジャズファンはもちろん、ふだんはジャズを耳にしない人たちや三条市にいたころのTOKUさんを知る人などが訪れ、TOKUさんの圧倒的なパフォーマンスに魅了され、最後は会場全体がスタンディングオベーションで拍手に包まれた。
今回はピアノに宮川純さん、ベースに前回に続いて楠井五月さん、ドラムに福森康さんとのメンバーで出演する。
さらにプロローグでスペシャルセッションを披露する。セッションするのは、2009年国際障害者ピアノフェスティバル in バンクーバーで練磨賞を受賞した石月誠人(いしづき・まさと)さん(19)=三条市馬場=だ。
石月さんは高機能自閉症で、2歳になる前から光ナビゲーションシステムのキーボードに魅せられ、4歳から近所のピアノ教室に通っている。絶対音感があり、楽譜がなくても耳で聞いた曲をすぐに演奏し、自分で好きなようにアレンジしながら即興演奏することもできる。
健常者にまじって子どものころからコンテストに出場し、ついに海外へも出場するまでに。ことしのショパン国際ピアノコンクールアマチュア部門では、アジア大会には進めなかったが、ことし1月の全国大会出場を果たしている。ボランティアで福祉施設で演奏することもある。
一方、絵画では細密な鉄塔や架空の地図の線画を描いて評価され、陸上でも全国障害者スポーツ大会で100メートルで銀メダルを獲得するなど、多彩な才能を輝かせている。
セッションでは、TOKUさんとふたりでポップス系の曲を2曲ほど演奏する予定。石月さんの母、純子さん(46)は「光栄です。プロの方と共演できるなんて」と自分のことのように喜ぶ。
つらい時代もあった。「母親として障害をもった子どもを生んでしまったという負い目があるから、苦労もたくさんありました」が、ピアノを続けるうちに、障害も「神さまが与えてくださったんだなと。演奏を求められて活躍ができてうれしい、ありがたい」と思えるようになった。
さらに「飛び抜けてなくても、ふつうの子どもの方が良かったと思うこともがありましたが、気が楽になりました」、「頑張っていれば何かごほうびがもらえるのかなと、今は感謝の気持ちでいっぱいです」と純子さん。「逆にほかの人が経験できないような経験をさせてもらいました」とも。
誠人さんのピアノ演奏を通じて「自閉症で悩んでいる方に少しでも希望を与えることができれば」と願う。今回のセッションの大抜ってきには「ぜひとも皆さんに喜ばれるものにしたいと思います」と張り切っている。コンサートに関する問い合わせは三条市生涯学習課(電話:0256-47-0048)へ。