21日に燕市で行われる分水おいらん道中で、おいらん行列が歩く地蔵堂本町通りに面した寿司店「惣六」=地蔵堂本町1=は、おいらん道中の見物がてらに地蔵堂本町通りに立ち寄ってもらえたらと、18日から21日まで同店で初めての和ミニキルト展を開いている。
展示を企画した同店のおかみさん、小柳千春さん(51)とその姉、姉の友だちの3人が制作した作品50点余りを2階の座敷のほか、1階の店内の空いた壁や玄関先も利用して展示している。毎日午前11時から午後4時まで。
作品に使っている布は、古くなった和服の生地などを再利用。畳くらいある大作のタペストリーをはじめ、クッションやテーブルクロス、両端に風鎮(ふうちん)を下げた掛け軸風、布で作った生け花やウサギの置物といった小物もある。
会場では茶や菓子を用意しているほか、客からぜひにと頼まれてランチ風の「花見セット」(1,200円)やサクラの花びらを入れた「桜の花のシフォンケーキセット」(450円)も用意している。ただ、キルトを見るだけでなく、広々とした座敷でゆったりと休憩してくつろいでもらっている。
小柳さんは10年ほど前に体を壊してから好きなスポーツができなくなり、それ以来、趣味はもっぱらキルトと旅行。2年ほど前からキルト展を開こうという話が出たが、実行にはいろいろなハードルがあり、今回初めて実現できた。
「おいらん道中を見終わるとみんなさっと帰ってしまうので、少しでも分水の町に足をとどめてもらおうと思って」と小柳さんは、キルトを展示することよりも、それによってひとりでも多くの人が商店街に足を向けてくれることに期待する。
いずれは小柳さんの手を放れて商工会や商店街といった大きな組織による作品展示になることを願っており、「分水のまちあるきのきっかけになれば」とも話している。問い合わせは同店(電話:0256-97-3645)へ。