燕市分水観光協会(山崎悦次会長)は21日、大河津分水桜並木と地蔵堂本町通りで第71回分水おいらん道中を行う。ことしはこれまでとは逆に先に午後0時半から地蔵堂本町通り、午後2時10分から大河津分水桜並木の順でおいらん行列を行い、その2会場で飲食物販テント「つばめるしぇ」を初めて同時開催。新機軸でおいらん道中を盛り上げる。
おいらん道中は囃子方が乗る山車を先頭に手古舞(てこまい)が先導。公募で選ばれた信濃太夫、桜太夫、分水太夫の3人のおいらん、そのそばに傘持ちとほうかんがつく。さらにかむろ、舞妓など総勢70人の付き人を従え、おいらんは独特の外八文字の歩き方を披露しながら進む。
これまでおいらん道中は、大河津分水桜並木、地蔵堂本町通りの順で行ったが、メーンの大河津分水桜並木の行列が終わるとすぐに帰ってしまう人が多いため、観光客の会場周辺の滞留時間を長くしようと、大河津分水桜並木を後にした。
午後0時半からの地蔵堂本町通りのおいらん道中は、進行方向もこれまでと逆で、分水福祉会館から願王閣へ向かって進む。午後2時10分からの大河津分水桜並木では、これまで通り信濃川大河津資料館前から大河津分水を下流方向へ向かって大河津橋たもとまで進む。
もうひとりのおいらん役、染井吉野太夫は撮影用おいらんで、分水さくら公園で午後0時半からと2時15分からの2回、それぞれ先着20組がおいらんと一緒に記念撮影できる。
初めての飲食物販テント「つばめるしぇ」は、午前10時から午後4時まで分水さくら公園に35、地蔵堂本町通りに11もの店が並ぶ。これまでも地蔵堂本町通り周辺では「テント村」と称して地元の団体や商店が店を出したが、今回は「つばめるしぇ」として大きく拡張。行列以外の魅力が大きくアップする。
地元の分水神輿会は、おいらん道中の露払いとして午前10時から11時半まで地蔵堂本町通りを諏訪神社から願王閣までみこしをかつぐ。信濃川大河津資料館では午前11時から無料で先着450人に茶と菓子をふるまう。
歴代おいらん13人も集合。さらに地蔵堂本町通りでは、午後1時半から分水太鼓、2時45分から分水花見音頭&舞踏ショー、午前10時から午後4時まで音楽ライブ「ゴールデンステージ」も行われる。
分水おいらん道中は大正13年ころから催されていた地元有志による仮装行列が起源とされ、昭和9年に発足した「分水路花の会」が11年から花にちなんだ行事をと「おいらん道中」を始めた。春の名物行事として県外にも知られ、近年も8万人を超す観光客でにぎわっている。
ことしは駐車場の利用は、これまで無料だった普通自動車にも1台500円の協力金を頼むことにした。会場周辺12カ所に駐車場を設置し、合わせて大型バス200台分を含めてざっと3,000台を収容できる。会場付近まで行けば、あとは係員が適切な駐車場へ誘導してくれる。
おいらん道中とサクラの開花のタイミングが合う年は少ないが、ことしはどんぴしゃり。大河津分水桜並木は、19日で市街地より数日遅れて八分咲きから満開となった。すでに県外からも観光バスが訪れ、観光バスが到着するたびに観光客の行列が大河津分水桜並木を行き交っていた。
予報では本番の21日は、気温が低いものの雨が降ることはなさそう。河川改修で新しく植えられ、まだ木が十分に育っていないものの、おいらん道中とサクラの花の競演を見せてくれるはずだ。分水駅のサクラ並木もまだ見ごろを保っており、まさに春らんまんのおいらん道中となる。