三条市栄地区産の有機米を原料にした酒、純米吟醸「越乃しらさぎ」をつくる栄地区の9つの酒販店で作る「栄然酒会(さかえねんしゅかい)」(渡辺荘吉会長)は、同会発足二十周年記念で「越乃しらさぎ」の長期熟成酒を5月3日に発売。あわせて抽選で5人にこの長期熟成酒が当たるプレゼント企画を行っている。
栄地区が合併前の栄町だった時代に、栄町の特産品を作ろうと町内の酒販店が同じく町内の有機栽培農家とタッグを組んだ。1994年に栄然酒会を発足し、農家からアイガモを利用した有機農法で酒米「五百万石」を作付けしてもらった。
収穫した酒米を蔵元「麒麟山酒造」=東蒲原郡阿賀町=に醸造してもらい、その年の12月にしばりたての生原酒「越乃しらさぎ」を発売。今は8つの農家から酒米を栽培してもらい、720ml入り2,205円で3,400本を販売し、毎年ほぼ1年で売り切っている。
二十周年記念の長期熟成酒を計画したのは、さかのぼることを5年前。仕込んだ酒の一部を5年間、低温熟成させ、長期熟成酒の記念酒として発売することにした。それから5年がたち、いよいよ5月3日に240本限定で発売する。
瓶の色はこれまでの白から長期熟成酒は茶に変え、ラベルは同じだが、「二十周年記念 長期熟成酒」と印刷した肩貼りを加えた。パッケージもこれまでピンクから白のグラデーションから黒に変え、ロットが少ないのでそこにシールを張った。720ml入りで2,940円。取り扱いは栄然酒会会員の9つの酒販店と5つの協賛店に限る。
栄然酒会会員は17日開いた会議で長期熟成酒を試飲した。事務局の近藤正祐さん(53)=近藤酒店・三条市福島新田甲=は、「しぼりたてはフレッシュで香りがたっている感じですが、長期熟成酒は香りは落ち着き、うまみがしっとりと落ち着いた酒になりました」と味の変化に驚き、品質には太鼓判を押す。
県内では酒販店と農家が組んで酒をつくるのは珍しく、栄然酒会はそうした県内の取り組みの先駆けだったと近藤さんは言う。「越乃しらさぎ」に一定のファンがつき、毎年、完売しているからこそ20年にもわたって続けられることに感謝する。「ことしうまくいったら、ことしの酒を5年間、熟成させて次は25周年記念酒を作ろうかと。ことしの売れ行きをみてから考えます」。いっそ10年間、熟成させて30周年記念酒を作る手もあるが、「それまでみんな店を続けていられるか。年もとりますし」と笑って話した。
長期熟成酒のプレゼントへの応募は、5月10日までに官製はがきに名前、住所、年齢、「プレゼント希望」と明記し、できれば「越乃しらさぎ」に対する感想などを添えて「〒959-1101 栄然酒会事務局 三条市福島新田甲85-1」へ送る。当選は賞品の発送をもって発表に代える。問い合わせは近藤酒店(電話:0256-45-2036)へ。「越乃しらさぎ」を扱う会員の酒販店と協賛店は次の通り。いずれも三条市。
【会員】▲ワタナベサケテン(帯織・0256-45-2024)▲片桐商店(同・0256-45-2020)▲さとう酒店(小古瀬・0256-45-3525)▲内田たばこや商店(鬼木・0256-45-2185)▲食彩酒館シブヤ(同・0256-45-2071)▲田中屋酒店(一ツ屋敷・0256-45-3341)▲近藤酒店(福島新田・0256-45-2036)▲エイ・アンド・アイ(月岡・0256-36-9100)▲JAにいがた南蒲いちい(福島新田丁・0256-45-5861)
【協賛店】▲山重酒店(東三条)▲柳屋酒店(本町)▲こまた酒店(嘉坪川)▲小林酒店(本町)▲大橋商店(保内)