県内有数の果樹産地、三条市大島地区では、夏に収穫するモモの花が満開で、この時期にしか見られないピンク色の花のパッチワークがドライバーの目を楽しませている。
三条市内ではサクラが散り、花はモモやナシにバトンタッチ。果樹畑が続く国道8号や信濃川沿いでは、モモのピンク、ナシの白、アブラナの黄と、それぞれの色の花が咲く。快晴だった25日は、それに空の青と下草の緑と、さらに鮮やかな色合いを見せた。
三条市大島、石田フルーツガーデンのモモ畑でも花は満開を迎えた。ソメイヨシノに比べると花はふたまわりほど大きく、濃いピンク色。商店街を飾る造花のように枝にびっしりと花がついている。
通り過ぎる人は楽しむだけだが、農作業は大忙し。同ガーデンの石田聡さん(47)は、花を間引く作業に追われている。果実に栄養が行き渡っておしくなるように花の数を減らすもので、花が散って小さな実になっても間引く必要がある。
果実がピンポン玉くらいの大きさになったら1個ずつ袋をかぶせ、大雨や台風などを心配しながら手をかけて収穫を迎える。三条のモモは、7月中旬ころから出荷が始まり、品種によっては10月まで味わえる。