三条市鶴田1地内の築80年近い家で育った2人の姉妹が、29日から5月5日までの1週間、その実家を会場に手芸作品展示会を開き、つるし雛やまゆ玉などのつるし飾り、樹脂粘土で作る樹脂フラワーなど数百点を展示している。
2人は姉の中沢幸子さん(67)=静岡県=と妹の山崎洋子さん(65)=三条市上保内=で、旧姓は田巻。樹脂粘土で作り、色づけをする樹脂フラワーと盆栽、つるし雛やまゆ玉などを製作する姉の幸子さんの作品をメーンに、洋子さんの布小物もあわせて展示している。
会場は2人の実家で、戦前に建てられた農家の1階。玄関や天井の高い囲炉裏の部屋などに、つるし雛は男雛と女雛各3対、まゆ玉約300個、さるぼぼやピエロなおのつるし飾り約20点が下がる。樹脂粘土による盆栽約50点、樹脂フラワー約30点をはじめ、数えきれないほどの作品が並ぶ。
幸子さんの樹脂フラワーは、樹脂粘土で花びらや葉などの形をパーツごとに作り、乾かしてから油絵具で色をつける。花びらや葉脈などは本物の葉を粘土に押し当てて写すなど、たくさんの工程と手間がかかり、色や形は本物と見間違うようほど忠実だ。
鉢に入る盆栽は、土やこけから手作りする。無数の花をつけたサクラやウメなどの鉢では、幹や枝などの木肌を和紙を使って再現するなどさらに手が込んでいる。
樹脂フラワーは、教室や商品としても目にすることもあるようだが、樹脂粘土の盆栽は珍しいという。つるし雛の布地は、母の着物や一昨年の7.29水害で被害に遭い、水につかった洋子さんの着物のはぎれも使った。2人にとっては思い出の詰まったつるし雛もある。
幸子さんは樹脂粘土の作品を習い始めてから15年、つるし雛は11年のキャリア。静岡でたびたび展示会を開いているが、今回は妹の洋子さんからの誘いで初めて三条での開催が実現した。連休前から少しずつ作品を送付し、27日に夫と車に作品を積みこんで三条へ。展示作業だけで2日がかりの大仕事だった。
「いくつ作っても納得がいかない」、「納得したら終わりかな」と幸子さん。今も講師について習い、奥の深い魅力を楽しみながら創作を続け、向上心は尽きない。「たくさんの人に見に来てほしい」と願っている。
入場無料で午前10時から午後4時まで開場、最終日5月5日は午後3時まで。問い合わせは田巻さん(電話:0256-38-7541)へ。
会場は三条市の市街地からだと国道403号を加茂市方向に向かい、左手のJAにいがた南蒲井栗支所のはす向かい、飲食店「かしわ」の角を右折。右に見える「えちご自動車」を過ぎて20メートル、右に青い屋根のベージュの倉庫を目印に右折すると会場の田巻さんの家。倉庫には黄色い案内板を表示している。