伝統的工芸品の指定を受ける「越後三条打刃物」を製造する「越後三条鍛冶集団」の専門職4人が伝統工芸士の試験に合格し、昨年、合格した4人に続き、新たな伝統工芸士が三条に誕生した。
伝統工芸士となったのは、曽根忠一郎さん(69)=(株)タダフサ・三条市東本成寺=、飯塚解房さん(70)=重房刃物・三条市南四日町=、鶴巻興市さん(63)=宗利製作所・三条市荒町=、平孝行さん(60)=(有)平木鋏製作所・三条市渡場=の4人。いずれも越後三条鍛冶集団の師範。
「越後三条打刃物」は、平成21年に越後三条鍛冶集団=小林由夫会長・27事業所36人=が指定組合となり、伝統的な鍛冶技術で作られる包丁や切出小刀など10品目を主要製品として、経済産業大臣から伝統的工芸品の指定を受けた。
4人は、昨年10月に全国統一知識試験と実技試験を受験し、合格。このほど伝統工芸士の交付を受け、5月2日午後7時から三条市・越前屋ホテルで開かれた「越後三条鍛冶集団 伝統工芸士誕生祝賀会」で、三条市長代理の長谷川正実三条市経済部長から認定証の伝達を受けた。
祝賀会は、斉藤弘文三条商工会議所会頭、渡辺徹(協)三条工業会副理事長、産地委員審査員の香月節子さんなど来賓と鍛冶集団メンバーなど40人余りが出席し、新たな伝統工芸士の誕生を祝った。
4人を代表して曽根さんが謝辞を述べた。伝統工芸士の仲間入りを「身に余る光栄と感謝の気持ちでいっぱいです」と話し、「伝統の技術を絶やすことなく、温故知新の心で古き良きものを続け、新しいものには変化を恐れず挑戦するそういう覚悟」、「これからも生涯現役で頑張る所存」と、これからも指導をと求めた。