昭和38年(1963)の建築から50年がたって老朽化した燕警察署の新庁舎が、先に開庁した燕市役所新庁舎の東側に隣接して建設され、11日開署する。留置施設は12室で収容定員は新潟東署と並び県内の警察署で最多の30人。建物は震度7ていどまでの耐震性があり、重大事件に対応した総合指揮室を備えるなど、これまでの三条署にとって代わる県央地域の警察署としての機能を充実させている。
敷地6,192平方メートルに庁舎面積は3,076平方メートルで、それぞれ今の庁舎の約3倍もの広さになる。建物は鉄筋コンクリート造3階建てで、用地を含めた建設費は12億7千万円。現庁舎から西へ約4キロに位置する。
広い来庁者用のロビーと118台収容の駐車場を確保した。大規模災害に対応して隣の燕市の新庁舎のような免震構造ではないが、震度7ていどまでの耐震設計。水害を想定して浸水しないように3階に130kVAの自家発電装置を設置。無給油で2日間連続運転でき、署内で必要な電力の50%をまかなえる。
自然光の取り入れた開放的なロビーで、バリアフリーのエレベーター、授乳室、多目的トイレを設置。県産スギ材を使ってカウンター、ベンチ、案内板を設置した。
建設計画を進めているときに県内の警察署で被留置者が多かったこともあり、留置施設は今の4室、収容定員4人から12室の30人と大幅に増強。これにより、県央地域の警察署の中核施設は、今の三条署から燕署にかわる。
1階では目的外使用の許可を受けて燕市交通安全協会が免許更新業務などを行うので、市民が訪れる機会が今よりずっと増える。留置管理課を新設したため、署員は今春の異動でこれまでの80人体制から90人に増強。近くにある粟生津駐在所は廃止し、燕署を所在地とする。
中村栄署長は「地域の安全、安心の拠点、防災の拠点になり得るすばらしい庁舎が完成したと思います」と言い、燕市新庁舎と隣接した立地について、燕市とは防犯、交通安全、防災で共同して仕事を行うことが多く、「今後、市役所の皆さんと連携がいっそう深まるということで非常にメリットが大きい」と期待した。11日に庁舎を移転、23日午前11時から竣工式を行う。