通称「三条まつり」と呼ばれる15日の三条市・八幡宮の春季例大祭で行われる大名行列を前に、行列を先導する奴(やっこ)を演じる三条先供組合(赤坂一夫会長・42人)は、10日夜から三条市立南小学校で練習を行っている。
10万石の格式とされる三条の大名行列は江戸時代に始まったとされる。毎年400人近い行列を編成し、午後0時45分に八幡宮を出発して商店街通りを西から東へ進む。
先供は、その行列の先頭の鉄棒、露払いに続き、先箱(さきばこ)、長柄(ながえ)の傘、大羽熊(おおはぐま)、投鞘槍(なげさややり)、天目槍(てんもくやり)、台傘(だいがさ)、立傘(たてがさ)、手杵傘(てぎながさ)の道具の順に、2人1組で、たがいに道具を投げて受け渡しながら進む。
道具は一番重い先箱が28kgほどもあり、長さ3m以上ある槍は柄の先の方が重く不安定で、歩くだけでも大変。本番では投げられた道具を足を踏ん張って受け取る様子に、沿道の観客から歓声と拍手がわく。静かに進む大名行列の中で、最も動きのあるパートだ。
先供を演じる同組合は、5月初めに八幡宮で顔合わせの練習を行い、10、11、12日の3日間は午後7時から9時まで、本格的な練習を行っている。
初日10日は、24歳から62歳のメンバーが先箱、槍、長柄の各パートに別れて練習用の道具を使って勘を取り戻すところから始めた。勤務先の作業着やトレーニングウエアなどでグラウンドに集合。
先箱、槍、長柄の各パートに別れて練習用の道具を使って勘を取り戻すところから始めた。道具を投げ、受け取る練習を始めるとすぐに汗がにじみ、上着を脱ぐ人もあった。
行列の奴は最低でも26人が必要というが、けがや家や会社の都合などで確実に参加できるのはぎりぎりの27人。新しいメンバーも募集しており、興味がある人がいたら知らせてほしいと話している。
祭り当日の15日は朝6時半に八幡宮に集合し、2班に分かれて依頼のあった家など80件ほどを昼までにまわって八幡宮に戻り、午後0時45分に大名行列の先頭として出発する。