県指定天然記念物「八王寺の白藤」のある燕市八王寺、安了寺(松島孝夫住職)で12日、恒例の白藤茶会が開かれ、遅れていた花は茶会に間に合わせるように咲き始め、五月晴れにも恵まれて市民204人が参加した。
主催は燕市教育委員会と燕茶道友の会(佐藤和子会長)。席主は燕茶道友の会会員が順番に担当し、今回は裏千家の石丸宗玲さん。趣向を凝らした道具組に、床の花は時季のイトバシャクヤク、クロユリ、ホウチャクソウ、イワカエデ、リンドウ。菓子の銘は「藤のやどり」。
午前10時に始まり、正午前で早くも100人以上が訪れた。席を設けた寺の庫裏からは前庭の木々が育ってほとんどフジが見えないが、境内にはフジの花の甘い香が漂う。鈴木力市長と上原洋一教育長も席を並べて茶を味わいに、10代の男性による点前(てまえ)の落ち着きに感心していた。
「八王寺の白藤」は、樹齢推定約300年、幹回り5.3メートル。東西約30メートル、南北約20メートルのフジ棚に枝を広げる。昨年2月に雪の重さでフジ棚の大半がつぶれ、枝もいたんだが、棚の修復や樹木医による治療が奏功して、ことしは十分に花を楽しめるほどに樹勢を回復している。
花はまだ二分咲き、三分咲きといったところで、これから花房を伸ばしながら花房の上から下へ順に花を開いていく。見ごろはこれからで、次の週末がピークになりそうだ。