15日は三条市・八幡宮、19日は燕市・戸隠神社で春季例大祭が行われる。13日、思いつきでそれぞれの祭りの準備のようすをチェックすることにした。見聞きしたことをもらすともったいないので、記事にせずに思い出したままに書いてみる。まあ、一般には手抜きとも言うが。
13日夕方、三条市役所第二庁舎を出ようとすると、正面玄関のロビーで市職員が傘鉾(かさぼこ)コンクールに出品する傘鉾を製作していた。コンクールは、日用雑貨などを身近にあるものを使って社会を風刺した傘鉾を作り、町内や団体が出品する。審査も行われて金賞や銀賞が決まる。
まずは、その出品前の市役所の傘鉾をスクープ。市職員は「金賞をねらっています」と胸を張ってにっこり。市民に遠慮してなのか、市職員らしい自主規制が凡庸な作品にしてしまうのか、理由はわからないが過去に市役所が金賞を取ったという記憶はない。「金賞を目指して頑張って」と激励したが、15日午前、八幡宮境内で行われるコンクールの審査で結果が明らかになる。
これがきっかけで、春祭りの準備めぐりへ出掛けた。Facebookで八幡宮境内の露店の写真を見たので、足を運んでみた。境内を出た参道の露店はまだだが、境内にはすでにぎっしりと露店が並び、準備万端だ。境内の池に浮かぶ通称「弁天島」には、2間四方の棚にフジがつたを広げる。毎年、三条祭りにあわせるように満開を迎える。すでに5分咲き以上で、三条祭りには見ごろ。紫の花房を伸ばし、甘い香を放っている。
参道では、15日の大名行列を先導する導祖神の天狗が、歩く練習。高下駄と鉾(ほこ)で地面をたたくように歩き、“カーンッ!”と高い音を響かせる。その練習が終わるころには、舞殿で神楽舞の練習が始まった。
続いて燕戸隠神社の春祭りを華やかに彩る万灯の練習へ。万灯を出すのは木場小路万灯組と横町万灯組。それぞれ紙を折ってつくる花を飾った万灯を引き、小学生の踊り子が伊勢踊りを舞う。木場小路万灯組は4月から部分的な練習を行っているが、日曜の12日から戸隠神社裏の“宿”と呼ぶ集会所で毎晩、練習。横町万灯組は翌13日から毎晩、第一生命燕ビル1階の駐車場を借りて練習している。
慣習で12日は横町万灯組若連中の総代らが木場小路万灯組を、翌13日は木場小路万灯組若連中の総代らが横町万灯組をあいさつに訪れている。
まずは横町万灯組へ向かった。踊り子は小学校2年生から5年生までの12人。誰が何を言うでもなく、練習に来た人が自然と笛や太鼓の演奏に加わり、だんだん音が大きく、にぎやかになってくる。
そろいの踊り浴衣を着た踊り子が集まってくる。踊りの練習を始める段になっても演奏は止まらない。踊り子が整列し、捧大介総代が拡声器で木遣りを始めるとスタンバイ。そのまま伊勢音頭へと続いて踊りが始まった。1回目の踊りを踊ったところに、木場小路万灯組若連中の沖坂正喜・小林健夫総代が到着し、練習のようすを見学した。
続いて木場小路万灯組の練習へ。こちらは踊り子を「お玉さん」と呼ぶ。ことしは小学校2年生から6年生までの12人。それぞれ時前の浴衣を着て踊り、日本舞踊、吾妻流名取の吾妻春登茂さん=三条市下須頃=が指導した。
春登茂さんは少しでも子どもたちから元気良く踊ってもらおうと、自分を中心に子どもたちと円陣を組み、春登茂さんの「木場小路万灯組お玉さん」に続いてみんなで「えい、えい、おーっ!」と気勢を上げた。練習が終わって子どもたちが帰ると、若連中が残って万灯を飾る花を作る作業が始まった。
ケンオー・ドットコムでは、天気のようすを見て16日か17日にそれぞれの万灯組の練習風景をインターネットで生中継する予定だ。