三条署と三条信用金庫は16日、三条信用金庫本店(五十嵐康次本店長・三条市旭町2)で強盗訓練を行い、刃物を持った3人の男が押し入り、人質をとって金を奪う想定で訓練した。
署員が犯人役の男3人と人質役の女性1人にふんし、演技とは思えない迫力で訓練した。同本店の入口から刃物を持った男が入ってきて、窓口にいた女性客を人質に刃物で脅し、「金を持ってこい、おら!」、「手をあげろ!、動くな」、「何もするんじゃねーろ、刺すぞ」と大声を出して金を要求した。
訓練とはわかっていても、刃物を向けられ大声で怒鳴り続ける犯人や人質役の女性の悲鳴など緊迫した空気に窓口の職員はもちろん、見学の職員も真剣な表情。対応した同本店次長は、「(女性に)危害を与えないでください」、「今、持ってきますから、落ち着いて」と繰り返し、犯人を説得し、時間を引き延ばした。
犯人が金を受け取って外へ逃げると、男性職員が追いかけてカラーボールを投げて的中。非常ボタンなどで通報を受けた同本店から100mほどの三条署からパトカーに乗って駆け付けた警察官が到着し、犯人の1人を取り押さえた。この間、約4分で、実地訓練を終わり、三条署生活安全課の課長と係長の講評した。
訓練は、冷静に対応できるよう任務分担の確認や被害の軽減および人的被害の防止などが目的。今回は、犯人の対応にあたった次長が両手を広げるなどのジェスチャーもつけて落ち着かせようとしたことや職員間の連携が良く、早い通報ですぐに警察官が来られたことを評価した。
さらに、防犯設備の点検と操作要領の習熟、自主防犯意識の醸成、人命最優先、任務分担、早い110番通報などの注意点なども話し、事件が発生したいざという時に対応できるよう日頃から意識をと求めた。
訓練後、窓口業務の女性職員は、訓練前にシナリオの確認などは行っていたものの、「どきどきして、どうしよう、どうしたらいいんだろうと戸惑った」、「思っていたことが飛んでしまい、一つずつ思い出すように考えた」。今回の訓練を体験し、「こういうこともあるということをリアルに感じられるようになったのではないかと思う」と言い、これから、訓練の反省をさらに話し合って、さらに役に立つようにしたいと話していた。