燕商工会議所(山崎悦次会頭)は17日、燕市役所「つばめホール」で燕版ISOともいえる品質管理の簡易認証制度「TSO」の全体説明会を開いて3年目をスタートする同制度に興味のある企業にTSOをアピールするとともに、第2期認証取得企業18社に認証書を授与した。
同商議所会員事業所60社から93人が出席。第2期認証企業に山崎会頭から認証書を手渡した。同商議所工業部会の遠藤光緑副部会長は主催者あいさつで、強みを継続してブラッシュアップするプロセスをいかに客にアピールできるかが大切で、TSOをきっかけに「皆さんがそれぞれのサービスなり、商品なり、向上させていただいて、この地域がより活性化してあちこちから、日本中から、世界中から人が訪ねて来るような、こういう町になればいいのではないか」とそのためにもTSO取得へのチャンレジを呼びかけた。
金属製品メッキ処理のスワオメッキと、金属加工業の土田工業が事例発表を行った。スワオメッキは、スワオメッキは、現場の管理をしっかりし、事業継承ができるようにとTSO取得に取り組み、物が散乱していた倉庫の整理から始めた。TSOには社内に抵抗勢力があると言われ、社長と専務がそれだったが、整理が進むと逆に張り切って手伝ってくれるようになった。物がすぐ見つかるようになって時間の短縮にもなり、従業員が意見を出してくれるようになった。
土田工業所は会社を変えたいという思いから始め、TSOを取ってよかったのは、率直に「売り上げが上がりました」と顔をほころばせた。3年ほど見積書を出し続けていた新規の客からTSOに取り組んでるならと仕事が取れるようになり、ISOを取っている既存の客から工程表やチェックシートを半分以上、つくってもらっていたのが任されるようになり、社員同士が話すようになって売り上げが倍増以上になった。
このあと工業部会の長谷川克紀副部会長が趣旨説明、TSOアドバイザーTBCソリューションズの大山俊一郎さんがTSOについて説明、工業部会の阿部貴之副部会長がスケジュールと料金説明を行った。
TSO認証制度は、品質管理の国際規格「ISO9001」のなかでもとくに重要な要求事項を抜粋したもので燕商議所工業部会が中心となって一昨年夏にスタート。大企業との取り引きにISO9001取得が条件とされるケースが増える中小企業に費用や労力の負担が大きいため、簡易認証としてTSO制度を創設。第1期は40社が取得申請したうち12社が取得し、今回は保留になった会社もあったが、最終的に申請した18社すべてが取得。これでTSO取得企業は合わせて30社となった。
対象は、会員の大半が燕地区の同商議所会員に限っているが、来年度からTSO制度を燕市へ移管し、吉田地区と分水地区を含む全市に対象を広げる。それに向けた意味もあり、今回は燕市役所で全体説明会を開いた。第2期認証取得企業は次の通り。
組織名 | 審査登録範囲 |
---|---|
株式会社エンテック | プラスチック成形加工(圧縮成形・射出成形) |
株式会社大泉物産 | 洋食器・金属加工業 |
有限会社片力商事 | 洋食器製造販売 |
有限会社神田製作所 | プレス加工業 |
櫻井精機株式会社 | 金属加工業 |
株式会社シンドー製造本部製造部 | ステンレス材料を主とした金属の加工 |
株式会社新武 | プレス金型の設計・製作 |
スワオメッキ有限会社 | 金属製品のメッキ処理 |
高綱央事務所 | 官公庁提出用図面の作成代行業務 |
株式会社田辺金具第五事業部 | トング、ハウスウェア商品の製造 |
土田工業株式会社 | 金属加工業 |
株式会社トーダイ | 洋食器製造販売 |
株式会社長谷川工業所 | 金属プレス加工業 |
丸越工業株式会社 | 農業用機械及び部品の設計及び製造 |
丸新銅器株式会社 | 銅製器物の製造 |
株式会社瑞穂医科工業燕製作所 | 金属加工業 |
ヤマケプレス | 金属プレス加工 |
笠原プレス工業株式会社 | 金属製品の製造 |