三条市下田地区の高城城址(たかじょうじょうし)とその登山道「ヒメサユリの小径」で、20日から6月5日まで「高城ヒメサユリ祭り」が開かれている。ヒメサユリの花は、まだほとんどがつぼみで、見ごろは早くても今週末になりそうだ。
ヒメサユリはユリ科の多年草。下田地区には古くから自生し、三条市の花としても親しまれている。その群生地が、標高372メートルの高城城址に続く登山道にあり、毎年、開花期にあわせて「ヒメサユリ祭り」が開かれている。
ことしは20日から6月5日まで開催。初日20日と25、26日の3日間は、午前10時から先着100人から200人に地元の森町産コシヒカリのおにぎりをプレゼントする。
ヒメサユリの花を楽しむには、昨年、登山道に向かう長禅寺下に新設された東屋や公衆トイレを備える約160台収容の駐車場から30分弱の道のり。
駐車場並びの長禅寺脇の登山道入口から登り口の「ヒメサユリの小径」まで、かなり急な登り坂を15分ほど歩き、そこからゆっくりと登って10分ほどのあたりからヒメサユリの群生が見られる。山道なのでスニーカーやトレッキンシューズなど歩きやすい靴や服装で出掛けるのがお勧めだ。
期間中の登山は、登山道環境整備協力金1人200円が必要で、登山道入り口で受け付ける。協力金は「ヒメサユリの小径」の整備や管理に充てる。
高城城址へと続く登山道は長さ約1.4キロで、1時間余り。整備された登山道の途中、守門岳や漢学の里などを望む場所にはベンチも設置され、ヒメサユリ以外の木や花にも名板があって楽しめる。
同地区の住民らが昭和53年から「高城城址保存会」を結成して登山道を整備すると、自生していたヒメサユリが育つ環境となった。「ヒメサユリの小径」として整備された登山道は、同保存会が毎年、雑木の伐採や下草刈りを続けているおかげで、たくさんのヒメサユリの花を楽しむことができるようになっている。
ことしは、昨年と同じく開花はこれから。19日現在でピンク色に色づいてきたつぼみがあるていどで、関係者の話では天気にもよるが、花の見ごろは次の週末25日以降になりそうだ。
期間中の25、26、6月1、2日は、「週末バス周遊」を計画。いい湯らてい、道の駅「漢学の里しただ」、ヒメサユリの小径駐車場3カ所を巡回する無料バスを運行し、下田郷の魅力を楽しんでもらう。
また、祭りの開催に先駆けて18日、同所で安全祈願祭を行い、登山道の整備なども行う「高城城址保存会」(木村六郎会長)や祭を主催する「森町ヒメサユリの小径・ハクチョウの郷運営委員会」「ヒメサユリの小径部会」(小島昇部会長)、市など関係者が参加し、期間中の安全を祈った。
■ヒメサユリの小径で咲く山草