三条市グリーンンスポーツセンターの常駐職員がこのほど野外・災害救急法とも呼ばれる「ウィルダネスファーストエイド(WFA)」のライセンスを取得。県内の野外教育施設でこのライセンスをもつスタッフが常駐するのは同センターだけと思われ、利用者の安心感の向上に貢献するはずだ。
5月18、19の2日間、同センターを会場にウィルダネスファーストエイドのライセンス取得講座を実施する「ワールド・ウィルダネス・メディカル・アソシエーション・ジャパン」による2日間のWFAベーシックコースが行われた。千葉、山形、福島と県外からも含む15人が受講した。
同センターから受講したのは2人の常駐スタッフ、鳥羽和明さん(39)、美代子さん(42)夫婦。2日間で20時間の全課程を修了してライセンスを受けた。ライセンスの有効期限は3年。
ウィルダネスファーストエイドは、北米が発祥の地とされる。今回、講習を実施した団体は昨年、設立された。鳥羽和明さんは昨年11月に開かれた野外教育施設の会議でウィルダネスファーストエイドが紹介され、同センターでの講習開催を要請、県内で初めて実現した。
応急手当を学ぶ資格としては赤十字救急法救急員が有名だが、「10種類近く傷病を想定して応急手当から救急隊員に引き渡すまでの一連の流れを学べた」と鳥羽さんは言う。7割が実技で、対応の判断を迫られたときに、なぜその判断をくだしたかという説明ができることを強く求められた。
同センターの業務は利用申請があったらそれを許可し、施設を管理することだけ。傷病に関する対応の義務はない。「とはいえ、何か起こって駆け込まれたのに、何もできないというのもどうかと。できる範囲で備品、物品もそろえ、利用者の安心感につなげていきたい」と鳥羽さん。受講者からは今回より上級の4日間コースの開催を求める声が強く、来年の開催を考えている。