平成25年度第1回の三条市防災会議が29日開かれ、信濃川や五十嵐川、市内一円の排水対策など増水期の水防体制について関係機関が説明し、避難所のあり方の見直しや原子力災害対策編策定についてなどの報告を確認した。
防災会議は災害対策基本法に基づいて三条市長を会長に三条市や国、県など関連機関の委員で構成。三条市地域防災計画を作成し、実施を推進、災害時の情報収集、水防計画の調査、審議などを行っており、毎年、梅雨入り前後のこの時期に開催している。
今回は、委員に公共的団体の委員2人と、欠席だったが学識経験者として三条市防災対策総合アドバイザーの片田敏孝群馬大学理工学研究院教授を新たに加えて委員38人とした。
会長の国定勇人市長はあいさつで、自然災害は人間の英知をはるかに上回り、簡単に乗り越えてやってきて、三条市も04年、11年と2度にわたる水害を経験したことから話した。ハードを整えてもソフト面と一人ひとりの覚悟が整わなければ市民の命を守ることはできず、この防災会議が出水期に向けて気持ちを引き締める絶好の機会になることを願い、関係機関の協力に期待した。
議事では増水期の防災体制などを話し合ったあと、三条市避難所検討委員会が検討した避難所のあり方の見直しや、6月23日に実施する平成25年度三条市水害対応総合防災訓練などを報告。質疑応答では、治水対策や情報の提供などんおしっかりした体制が整っていることを「もっともっと周知してほしい」という発言があった。
会長の国定市長も同意し、「特効薬はない」、「繰り返しやり続けるしかない」が、それでも「三条市民の災害に対する意識は高い」との認識を示し、その証拠のひとつとして7.29水害後の意識調査では、三条市が全戸配布した「逃げどきマップ」を8割が見たことがあると回答したことを紹介した。
議事では、「五十嵐川の治水対策・防災情報の提供等」についてなどを県三条地域振興局が説明。笠堀ダムの嵩上げ(4m)で洪水調整機能を増強する、遊水地を新たに整備する、流下能力向上のために上流域の掘削、引堤、堤防かさ上げを行い、すでに改修済みだった下流の市街地部は原形復旧を基本とした河道改修を行うなどの「五十嵐川助成事業計画」や進捗状況、五十嵐川の水防警報や土砂災害警戒情報の伝達などについて話した。
「信濃川の治水対策について」では国交省北陸地方整備局信濃川下流河川事務所が、信濃川水系河川整備計画の策定について説明。整備の目標として、「平成23年7月洪水と同規模の洪水が発生しても堤防の決壊、越水等による浸水被害の防止が図られる」と原案を説明したほか、河川の現状と課題として河積不足で洪水を安全に流下させることができないカ所があり、河道掘削によって河積を大きくする必要がある。また、三条市上須頃地区の旧競馬場付近に「上須頃地区河川防災ステーション」の設置なども説明した。