墨彩画を描く画家、藤井克之さん(58)=新潟市西蒲区巻甲=が講師を務める三条教室の生徒の作品展「第4回墨彩画藤井克之三条教室展」が1日から3日まで三条市・三条東公民館で開かれている。
藤井さんは県内各地で10の教室の講師を務めており、三条教室展はことしで講師を務めて10年目になる三条市一ノ門2、杉山額縁店の墨彩画教室の生徒の作品展。三条教室以外の教室の作品展はまとめて毎年秋に新潟市・りゅーとぴあで開いているが、それとは別に三条教室だけは生徒や鑑賞に訪れる人の要望もあって三条市で開いている。
会場が見つからずに休んでいた時期もあるが、3年前からは毎年、開いている。今回は三条東公民館の2つの多目的ホールを使い、一方は三条教室の生徒12人の作品45点、もう一方は講師の藤井さんの作品ばかり30点を展示している。
藤井さんは旧巻町に生まれ、元高校美術教諭で、うち10年間は三条高校に勤務。旧湯之谷村(今の魚沼市)産の大沢和紙に墨で線を描き、日本画材の顔彩で彩色。和紙の風合いを生かし、柔らかで線と色とけれんみのない構図で身近にある風景を写し取る。
展示作品は、ここ3年ほどに描いたものがほとんどで、五十嵐川、北三条駅前通り、三条駅舎、三条別院、そして長く通った三条高校など三条の中心地を描いたものが多い。それに八木ヶ鼻、大崎浄水場から燕市の水道の塔や加茂市の加茂川、長野県の上高地、さらにシリーズで描いたイスラエルの西壁を描いた作品もある。
生徒の作品は年に1、2回行っているスケッチ旅行で取材した作品など、県内や近県の風景画が中心。教室では藤井さんが用意した写真を見て描くことが多いが、生徒もキャリアが長くなり、「最近はほとんどオリジナルの作品になっている。バラエティーに富んだ絵になってますね」と藤井さんは言う。
スケッチ旅行は、藤井さんが指導するすべての教室が合同で行う。「絵を描くことを学ぶだけでなく、絵を描くことを通して人とのつながりをもとう、一緒に準備したり、食事したり、旅行したり、絵を通して遊んでいるみたいな感じです」と藤井さん。
自身も年間20回を超す展覧会を開き、「行く土地、土地でいろんな人と知り合いになったのが財産かなと思っています」。
また、毎日午後2時から3時まで藤井さんによる制作実演と体験教室を行っている。「多くの方に絵に親しんでいただきたい。ちょっと勉強するだけで簡単に描ける。人の絵を飾るのもいいけど、自分の絵を飾るのはもっといいですよ」と藤井さんは絵筆をとることを勧めている。午前10時から午後6時まで、最終日3日は午後4時まで。入場無料。出品している生徒は次の通り。順不同、敬称略。
▲猪本良三▲大野フミ▲長沼良子▲広川美津子▲皆川恵美▲和田英夫▲五十嵐英一▲倉品カヨ▲外山幸▲馬場寿美枝▲前田達男▲渡辺花子