燕市と日本貿易振興機構(ジェトロ)新潟貿易情報センターは7日、市役所つばめホールで第1回燕市海外ビジネスセミナーを開き、東南アジア諸国「ASEAN」の市場に興味をもつ70人が参加した。
冒頭、鈴木力市長があいさつ。鈴木市長はアベノミクス効果がまだ地方へ波及していないが、「冷静にとらえて大きな流れのなかでビジネスを考えるということも大切」。事業の海外展開では、拠点を海外へ移す、海外へ市場を求めるといったことがあるが、「行政の立場では、燕を拠点にどう海外へ売り込んでいくかを考えていただけたら」と期待した。
ジェトロ海外調査部アジア太平洋州課の若松勇課長が「中小企業のための海外ビジネス動向〜最新のASEAN情勢を中心に〜」をテーマに講演のあと、海外への販路拡大に取り組んでいるダシの株式会社フタバ=三条市川通中町=が事例発表したあと、燕市やジェトロが用意する海外展開支援メニューを紹介し、個別相談会も行った。
ジェトロの若松課長は、拡大するASEANの消費事象から、タイ、インドネシア、ベトナムの消費者像、ASEANでの流通構造と商習慣の実態、ASEAN市場へアプローチなどについて統計資料やアンケート調査の結果を示して話した。ASEAN各国は総じて底堅い成長が続き、ことしも軒並み5%を超えるほどのGDP成長率が見込まれる。人口は消費意欲の高い若い世代が多いピラミッド型。市場としても今後の成長が見込まれ、有望であることなどについて話した。
市では昨年度、中小企業新市場調査研究会を設立し、研究会を開いたり、タイやフランスの見本市に参加したりした。今年度は新たに海外見本市出展サポート事業を行い、中小企業を対象に旅費や外国語の翻訳も含めて75万円を上限に出展にかかる費用の2分の1を助成する。そうした取り組みとして今回初めて海外ビジネスセミナーを開いたもので、来場者も期待感をもって聴講していた。