三条市立須頃小学校(中瀧志保子校長・児童82人)の創立140周年記念式典が8日、同校で開かれた。アトラクションには佐渡を拠点に世界で活躍する和太鼓集団「鼓童」が交流学校公演を行い、地域から保護者など約200人が訪れ、和太鼓の演奏と児童とのワークショップで和太鼓の魅力をたっぷり味わった。
須頃小は明治6年(1873)6月7日に新潟県大18小1区の三条校上須頃分場として今の西照寺に創設され、同月11日に仮開校式を行って創立。上越新幹線の用地にかかったため、昭和50年(1975)に信濃川左岸堤防したの今の場所に新築、移転した。
午前10時から式典で140周年記念事業実行委員会の倉重保久実行委員長は式辞で「校歌にもあります、実り豊かな須頃の先人たちの功績に感謝しつつ、われわれ宝である子どもたちを未来へ飛び出させてください」と求めた。
来賓祝辞で国定勇人市長は、肥沃な大地に恵まれたなかで、須頃小のこれまでの歴史を振り返り、地域と積極的にかかわった教育活動を評価し、児童に「140年の伝統と歴史を大切にして、これからも明るく、元気に、将来に夢をもって活動してください。そして健やかに成長し須頃小学校に新しい風を吹かせてくれることを心から期待します」と語りかけた。
全校児童による喜びの言葉や中瀧校長のあいさつで閉式のあと、いよいよ鼓童によるアトラクション。出演は7人ははっぴにねじり鉢巻きで肩から下げた太鼓をたたきながら登場。形や大きさの異なる太鼓を使って演奏するだけでなく、三味線、琴、笛の伴奏で歌を歌ったり、仏具のうちわ太鼓、木魚、鈴をたたきながらコミカルに踊ったり。マーチングの大太鼓のように両肩にかけて太鼓を胸の前に下げた状態で、演奏しながら長いスカートを生かしてまったり、マーチングよろしく編隊を変えたりして、見る人を飽きさせなかった。
途中で児童16人から太鼓のワークショップに挑戦してもらった。鼓童のメンバーがたたくリズムを山びこのように繰り返して演奏するだけ。簡単なリズムなら初めて太鼓をたたく子どももついていくことができ、演奏がぴたりと決まると子どもたちは満面の笑顔。楽器の紹介もあり、音楽教育的な部分もたくさんあった。
終盤では、直径1.2メートルもある大太鼓が登場。音圧を体で感じるほどの大きな音の響きに、おとなも子ども集中して聴き入っていた。最後に児童代表が「目の前で演奏を聴いてみると、迫力にびっくりしました。太鼓の音の響きが体全体に伝わり、心の底まで響いてきました」と礼を述べた。来年、孫が須頃小に入学するという女性は、「もうちょっと聴きたかった」と言い、「本当なら佐渡へ行かないと見られないんだから、ありがたかったです」と話していた。